◆SH1386◆実学・企業法務(第78回) 齋藤憲道(2017/09/11)

実学・企業法務(第78回)

第2章 仕事の仕組みと法律業務

同志社大学法学部

企業法務教育スーパーバイザー

齋 藤 憲 道

 

Ⅴ 情報システム

 1990年頃からマイクロソフトのWindowsが本格的に普及し始め、1990年代半ば以降にインターネットがビジネス用途で企業に浸透して、それまで行われていた経営情報の大型コンピュータ処理からパソコンを中心とする経営情報の作成・処理・蓄積のシステムへの転換が進んだ。

 現在では、技術・製造・営業・人事・経理等の専門業務の大半がコンピュータ化されている。コンピュータがなければ、設計・デザイン・発注・仕入れ・生産・在庫・輸送・仕入代金支払・売上代金回収・給与計算・給与振込・決算等の業務処理がほとんどできない。また、通信・蓄積する電子データや電子メールの量は、膨大である。

 万一、顧客や取引先等の個人情報の漏洩が発覚すると、企業が行う個々の情報流出被害者への損害賠償は少額でも、それに被害者数を乗じた損害賠償額合計は巨額になる。その上、再発防止に向けて、高度な情報セキュリティシステムを導入するための大規模投資が避けられない。こうして、情報流出のリスクは、極めて大きなものとなる。

 電子情報が漏洩した企業及びそれを漏洩させた担当者は、民事訴訟で多額の損害賠償を請求等されるだけでなく、行政処分や刑事処罰の対象にもなる。

 今日、企業で電子情報の管理の中心的役割を果たしている情報システム部門は、企業の生産性向上と情報セキュリティ管理の両分野で重要な役割を担っている。

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(さいとう・のりみち)

1971年東京大学法学部卒業。同年松下電器産業㈱に入社し、営業、経理、経営企画、法務の業務を担当。松下電子部品㈱経営企画室長、松下電器産業㈱法務本部法務部長、JVC・ケンウッド・ホールディングス㈱監査役等を経て、2009年パナソニック㈱を退職。損害保険ジャパン日本興亜㈱ 業務品質・コンプライアンス委員会委員長を歴任。

また、内閣府消費者委員会委員(2015年秋退任)、消費者安全調査委員会臨時委員(現)、製品事故判定第三者委員会合同会議議長(現。消費者庁と経済産業省合同)、国民生活センター紛争解決委員会委員(現)、経済産業省産業構造審議会臨時委員、神戸市公正職務審査会委員(現)

 




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