◆SH1357◆日本企業のための国際仲裁対策(第50回) 関戸 麦(2017/08/24)

日本企業のための国際仲裁対策

森・濱田松本法律事務所

弁護士(日本及びニューヨーク州)

関 戸   麦

 

第50回 国際仲裁手続の終盤における留意点(5)-ヒアリングその1

3. ヒアリング

(1) 当事者及び証人の出頭

 第46回の1項で述べたとおり、ヒアリングは重要な手続と認識されているため、ヒアリングを省略した仲裁手続は、当事者双方が同意しない限り認められない。第25回の1項で述べたとおり、国際仲裁手続の審理に関する二大原則の一つとして、主張立証の十分な機会付与の原則(Full Opportunity to Present Case)があるところ、その一内容として、各当事者がヒアリングで主張立証を行う機会の確保が求められている。

 そのため、ヒアリングに当事者が出頭することには重要な意味があるが、他方において、当事者が欠席した場合にヒアリングが行えないということではない。仮にヒアリングが行えないとなると、ヒアリングを欠席することによって、一方当事者が仲裁手続の進行を止められることになってしまい、ひいては敗訴することを回避できるという不合理な結果となる。

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(せきど・むぎ)

森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士。訴訟、仲裁等の紛争解決の分野において、Chambers、Legal 500等の受賞歴多数。『日本企業のための米国民事訴訟対策』(商事法務、2010年)等、国際的な紛争解決に関する執筆、講演歴多数。
1996年東京大学法学部卒業、 1998年弁護士登録(第二東京弁護士会)、森綜合法律事務所(現在森・濱田松本法律事務所)入所、2004年シカゴ大学ロースクール(LL.M)卒業、 ヒューストン市Fulbright & Jaworski法律事務所にて執務、2005年ニュ-ヨーク州弁護士登録、2007年東京地方裁判所民事訴訟の運営に関する懇談会委員、2009年日本弁護士連合会民事裁判手続に関する委員会委員(現在副委員長)、2012年第二東京弁護士会司法制度調査会訴訟法部会部会長等。

 




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