◆SH1341◆実学・企業法務(第71回) 齋藤憲道(2017/08/10)

実学・企業法務(第71回)

第2章 仕事の仕組みと法律業務

同志社大学法学部

企業法務教育スーパーバイザー

齋 藤 憲 道

 

Ⅲ 間接業務

2. 人事・勤労

〔考課、昇格〕
 企業が事業で活力を十分に発揮するためには、個々の社員等を適切に(可能であれば同じ基準で)評価して、優秀な人材を幹部に登用する仕組みを確立し、それを社員等に示すことが重要である。

 所在地(国等)・担当事業・担当職能等によって考課・昇格の基準が異なると、社員の業績貢献度の評価について全社的コンセンサスを形成することが難しくなり、社内の一部で考課・昇格に対する不協和音が生まれる。特に、グローバル企業では、グループ幹部社員の選考・昇格について多くの社員の理解を得られず、執行部が求心力を失って企業活力が低下するおそれがある。

 企業の創業者は、創業期に全ての職能を体験するので、どのような職能でも勘が働くが、学校卒業の直後に一定規模の企業に就職した者には、営業、技術、製造、人事、経理等の中の特定分野の経験を積む機会しかない。しかし、限られた範囲の経験だけでは、事業全体を経営する力は育ち難い。業務の専門細分化が進んだ大企業ほど、優秀な経営者を選ぶのが難しいといえる。

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(さいとう・のりみち)

1971年東京大学法学部卒業。同年松下電器産業㈱に入社し、営業、経理、経営企画、法務の業務を担当。松下電子部品㈱経営企画室長、松下電器産業㈱法務本部法務部長、JVC・ケンウッド・ホールディングス㈱監査役等を経て、2009年パナソニック㈱を退職。損害保険ジャパン日本興亜㈱ 業務品質・コンプライアンス委員会委員長を歴任。

また、内閣府消費者委員会委員(2015年秋退任)、消費者安全調査委員会臨時委員(現)、製品事故判定第三者委員会合同会議議長(現。消費者庁と経済産業省合同)、国民生活センター紛争解決委員会委員(現)、経済産業省産業構造審議会臨時委員、神戸市公正職務審査会委員(現)

 




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