◆SH1329◆英米の投資信託の歴史 ~会社型と信託型の競争に関する一考察~(3)経済合理性 友松義信(2017/08/03)

英米の投資信託の歴史

~会社型と信託型の競争に関する一考察~(3)

三菱UFJ信託銀行

友 松 義 信

 

3 経済合理性

 集団投資スキームを経済合理性の観点から見ると、再投資による利益追求がより大きくなることから、ヴィークル段階では課税されず、受益者が収益等を受け取った段階で課税されることが望ましい。どのヴィークルを選択するかで課税のされ方が異なることがあるため、そこに競争が生じる。また組織を維持・存続させるための必要な手続きがヴィークルによって異なり、その費用対効果を巡って選択が生ずることもある。この観点に関しても、会社と信託の間である種の競争が展開された。

① 導管性―連邦税(アメリカ)

 既述の通り20世紀初め頃まで会社は、法人格を有するか否かが大きな争点となり、法人格を有する方向に推移していったため、課税対象となった。一方、信託は一般に法人格はないとされ、1913年の連邦歳入法でビジネス・トラストは法人税の課税対象外とされたほか、1911年の連邦最高裁判決Eliot対Freemanで登録免許税の課税目的となる団体性を有さないとされるなど、信託の方が有利な取扱いが続いた。

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(ともまつ・よしのぶ)

三菱UFJ信託銀行経営企画部担当部長、信託博物館事務局長、コンプライアンス統括部担当部長。
1998年に東京大学法科大学院法学政治学研究科専修コース修了後、2009年まで法務、コンプライアンスを担当。2009年不動産管理部長、2011年監査役室長、2012年よりコンプライアンス統括部主席コンプライアンス・コンサルタントを経て、現在に至る。
主な著書に、『転ばぬ先のコンプライアンス』(経済法令研究会、2005年)、『信託入門』(金融財政事情研究会、2014年)などがある。

 



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