◆SH1315◆ベトナム:雇用契約への署名を委任する場合の注意点 澤山啓伍(2017/07/28)

ベトナム:雇用契約への署名を委任する場合の注意点

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 澤 山 啓 伍

 

 ベトナムでは、会社が契約を締結する際には、会社の代表者(法的代表者と呼ばれる)が自ら署名し、会社の代表印を押印するのが一般的である。契約締結権限を法的代表者から他の従業員に委任することはもちろん可能であるが、民法において最近まで表見代理制度が認められていなかったこととの関係上、法的代表者以外の者が署名する場合には、その権限を委任状等で確認する必要があるとされてきた。

 従業員との間で会社が雇用契約を締結する場合においても状況は同じであり、原則として雇用者の法的代表者が自ら署名しなければならないとされている(政令05/2015/ND-CP号第3条第1項第(a)号)。2015年に施行された企業法では、複数の法的代表者を置くことが認められたが、その場合でも、各法的代表者の権限を定款に定める必要があり、それに基づいて雇用契約の締結権限を有する者が特定されることになる。

 とはいえ、特に従業員の数が多い製造業などの会社において、法的代表者が全ての労働契約に署名するというのは現実的ではなく、その権限を委任したいという需要は大きい。そのような委任自体は可能であるとされているが、以下の点にご留意いただく必要がある。

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(さわやま・けいご)

2004年 東京大学法学部卒業。 2005年 弁護士登録(第一東京弁護士会)。 2011年 Harvard Law School卒業(LL.M.)。 2011年~2014年3月 アレンズ法律事務所ハノイオフィスに出向。 2014年5月~2015年3月 長島・大野・常松法律事務所 シンガポール・オフィス勤務 2015年4月~ 長島・大野・常松法律事務所ハノイ・オフィス代表。

現在はベトナム・ハノイを拠点とし、ベトナム・フィリピンを中心とする東南アジア各国への日系企業の事業進出や現地企業の買収、既進出企業の現地でのオペレーションに伴う法務アドバイスを行っている。

長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/

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