◆SH1309◆下請法違反の勧告事例(タカタ株式会社) 田中貴士(2017/07/26)

下請法違反の勧告事例(タカタ株式会社)

岩田合同法律事務所

弁護士 田 中 貴 士

 

 公正取引委員会(以下「公取委」という。)は、平成29年7月18日、タカタ株式会社に対し、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という。)4条1項3号(下請代金の減額の禁止)の規定に違反する行為が認められたとして、下請法7条2項に基づく勧告(以下「本勧告」という。)を行った。

 本勧告において、タカタは、下請事業者と単価の引下げ改定を行った際、単価引下げの合意日前に発注した部品等についても引下げ後の単価を遡って適用することにより、下請代金の額(引下げ前の単価を適用した額)と発注後に引き下げた単価を遡って適用した額との差額を下請代金の額から差し引いていたとされている。いわゆる新単価の遡及適用による減額の事案であり、過去にも同種の事例として、曙ブレーキ工業株式会社に対する勧告(平成16年12月7日)、橋本フォーミング株式会社に対する勧告(平成17年1月27日)などがある。

 親事業者が下請事業者と単価の引下げ交渉を行うに際し、例えば、2月から3月を交渉期間、4月1日を単価改定日と予め設定していたとする。そのとき、実際には4月まで交渉がずれ込み、4月15日になって下請事業者と単価の引き下げの合意が成立したとしても、親事業社の担当者としては、下請事業者が納得していれば、当初の予定どおりに4月1日を新単価(引下げ後の単価)の適用開始日として、同日からの発注分についても新単価を適用したいと考えてしまいがちである。あるいは、親事業者の単価管理のシステム上、月の途中から単価を変更することができないために、4月1日からの発注分について新単価を適用したいという事情もあるかもしれない。

 しかし、単価の引下げ交渉が合意に至った際に、すでに発注済みのものにまで新単価を遡って適用することは、下請法上問題となる。

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(たなか・たかし)

岩田合同法律事務所弁護士。2004年京都大学卒業。2005年弁護士登録。取扱分野は、金融法務、企業法務全般。

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1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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