◆SH1294◆日本企業のための国際仲裁対策(第46回) 関戸 麦(2017/07/20)

日本企業のための国際仲裁対策

森・濱田松本法律事務所

弁護士(日本及びニューヨーク州)

関 戸   麦

 

第46回 国際仲裁手続の終盤における留意点(1)-ヒアリングの重要性及び準備その1

1. ヒアリングの重要性

 今回から、国際仲裁手続の終盤における留意点について解説する。この終盤の中心は、ヒアリングと、その後の仲裁判断である。まずヒアリングとその準備から始める。

 ヒアリングは、国際仲裁手続のいわばメインイベントといえる手続である。朝から夕方まで連日審理が行われる。所要日数は案件毎に異なるが、1週間程度の期間に及ぶことは珍しくない。

 また、ヒアリングの主たる内容は、①冒頭陳述(opening statements)、②事実証人及び専門家証人に対する尋問(examinations to factual and expert witnesses)、③最終弁論(closing arguments)である。国際仲裁手続のヒアリングは、米国民事訴訟のトライアルと、上記の各点で類似するといえる。

 但し、米国民事訴訟のトライアルとの違いとしては、判断権者(仲裁廷)による審理ないし心証形成が、ヒアリングの前から始まっているという点がある。トライアルの場合には、判断権者(陪審)が、トライアルに至ってから選任されることから明らかなとおり、判断権者(陪審)がトライアルの前から審理ないし心証形成をすることはない。これに対し、仲裁廷は、ヒアリングの前から、主張書面(statement of claim、statement of defence等)、書証(exhibits)、事実証人の陳述書(witness statements)、専門家証人の意見書(expert reports)を検討している。

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(せきど・むぎ)

森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士。訴訟、仲裁等の紛争解決の分野において、Chambers、Legal 500等の受賞歴多数。『日本企業のための米国民事訴訟対策』(商事法務、2010年)等、国際的な紛争解決に関する執筆、講演歴多数。
1996年東京大学法学部卒業、 1998年弁護士登録(第二東京弁護士会)、森綜合法律事務所(現在森・濱田松本法律事務所)入所、2004年シカゴ大学ロースクール(LL.M)卒業、 ヒューストン市Fulbright & Jaworski法律事務所にて執務、2005年ニュ-ヨーク州弁護士登録、2007年東京地方裁判所民事訴訟の運営に関する懇談会委員、2009年日本弁護士連合会民事裁判手続に関する委員会委員(現在副委員長)、2012年第二東京弁護士会司法制度調査会訴訟法部会部会長等。

 



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