◆SH1283◆日本企業のための国際仲裁対策(第45回) 関戸 麦(2017/07/13)

日本企業のための国際仲裁対策

森・濱田松本法律事務所

弁護士(日本及びニューヨーク州)

関 戸   麦

 

第45回 和解その3

7. 仲裁と調停の組み合わせ(Arb-Med-Arb)

(1) Arb-Med-Arbの概要

 仲裁と調停を組み合わせる方法は、大きく分けて二通りある。一つは、調停を先行させ、調停から仲裁へと移行するものである。他の一つは、仲裁を先行させ、仲裁から調停へと移行するものである。

 Arb-Med-Arbとは、SIAC(シンガポール国際仲裁センター)とSIMC(シンガポール国際調整センター)が共同して推奨しているものであるところ、類型としては仲裁から調停へと移行するものである。

 但し、SIAC及びSIMCのArb-Med-Arbでは、仲裁手続の早期の段階で、調停を実施することを求めている。SIAC及びSIMCは、Arb-Med-Arb Protocol(議定書)[1]を作成しているところ、そこでは、申立書及び答弁書の提出があり、仲裁廷が成立した(仲裁人選任が完了した)後、SIACでの仲裁手続の方は停止して、SIMCでの調停手続を実施することが求められている(5項)。

 また、SIMCでの調停手続は原則として8週間以内に終了させることとし、その間に和解がまとまらない場合には、SIACでの仲裁手続が再開することが定められている(6項から8項)。

 このように「調停手続が始まるタイミング」と「調停手続が終わるタイミング」が明確になっており、また、「調停手続の間は仲裁手続が停止すること」と「調停手続が終わった場合には仲裁手続が再開すること」が明確になっている。これがArb-Med-Arbの特徴といえる。

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(せきど・むぎ)

森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士。訴訟、仲裁等の紛争解決の分野において、Chambers、Legal 500等の受賞歴多数。『日本企業のための米国民事訴訟対策』(商事法務、2010年)等、国際的な紛争解決に関する執筆、講演歴多数。
1996年東京大学法学部卒業、 1998年弁護士登録(第二東京弁護士会)、森綜合法律事務所(現在森・濱田松本法律事務所)入所、2004年シカゴ大学ロースクール(LL.M)卒業、 ヒューストン市Fulbright & Jaworski法律事務所にて執務、2005年ニュ-ヨーク州弁護士登録、2007年東京地方裁判所民事訴訟の運営に関する懇談会委員、2009年日本弁護士連合会民事裁判手続に関する委員会委員(現在副委員長)、2012年第二東京弁護士会司法制度調査会訴訟法部会部会長等。

 

 




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