◆SH1274◆マレーシア:KLRCA仲裁規則の改正 青木 大(2017/07/07)

マレーシア:KLRCA仲裁規則の改正

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 青 木   大

 

 マレーシアの仲裁機関であるクアラルンプール地域仲裁センター(Kuala Lumpur Regional Centre for Arbitration, KLRCA)の仲裁規則の改正が行われ、2017年6月1日に施行された。同規則は2013年制定の旧仲裁規則に置き換わるもので、施行日以降に同機関において提起された仲裁手続に適用される。

 KLRCAはここ数年、マレーシアの国家的な仲裁振興策と歩調を合わせ、利用拡大に向けた積極的な取り組みを推進している。2016年の仲裁新受件数は62件(うち国内仲裁55件、国際仲裁7件)と、SIAC(2016年343件)等に比べるとまだ振るわないと言わざるを得ないが、2012年に導入された建設関連紛争の裁定(Adjudication)制度に基づく裁定申立件数は443件に拡大しており、特にマレーシア国内の建設紛争に関してKLRCAの存在感が増している。

 KLRCAの分析によれば、近時のKLRCAにおける仲裁手続の平均期間は10.84か月、費用については、国内仲裁については平均で132,533.56リンギット(1リンギット0.23USD換算で約30,483USD)、国際仲裁については約53,060USDとされている。これらはSIACが公表する期間・費用の平均値(13.8か月、80,337USD)を下回っている。

 2017年仲裁規則の主要な改正点は以下のとおりである。

続きはこちらから

この他のアジア法務情報はこちらから

 

(あおき・ひろき)

6年間の官庁勤務を経て、2007年長島・大野・常松法律事務所入所。入所後は国際的な紛争解決(国内外における訴訟・仲裁等)を中心的なプラクティスとしながら、不祥事案件、雇用問題、消費者対応、その他一般企業法務に広く携わる。2013年8月から2014年7月までシンガポールのOon & Bazul法律事務所に出向し、国際仲裁案件等に従事。

2000年東京大学法学部、2004年ミシガン大学ロースクール(LL.M.)卒業。

長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/

長島・大野・常松法律事務所は、弁護士約400名が所属する日本有数の総合法律事務所です。企業法務におけるあらゆる分野に対応できるワンストップファームとして、国内案件及び国際案件の双方に豊富な経験と実績を有しています。

東京オフィスにおいてアジア法務を取り扱う「中国プラクティスグループ(CPG)」及び「アジアプラクティスグループ(APG)」、並びにアジアプラクティスの現地拠点であるシンガポール・オフィス、バンコク・オフィス、ホーチミン・オフィス、ハノイ・オフィス、上海オフィス、ジャカルタ・デスク及びアジアの他の主要な都市に駐在する当事務所の日本人弁護士が緊密な連携を図り、更に現地の有力な法律事務所との提携・人的交流を含めた長年の協力関係も活かして、日本企業によるアジア地域への進出や業務展開を効率的に支援する体制を整えております。

詳しくは、こちらをご覧ください。