◆SH1265◆実学・企業法務(第61回) 齋藤憲道(2017/07/03)

実学・企業法務(第61回)

第2章 仕事の仕組みと法律業務

同志社大学法学部

企業法務教育スーパーバイザー

齋 藤 憲 道

 

4. 販売(営業)

(3) 営業の主要機能

9) 商品物流

 今日では、物流機能の専門細分化が進み、特定の機能を専門的に取り扱う企業が多い。それぞれの専門企業は、標準契約や約款で自社の取引条件を定めている。

 近年、物流に特化して、多数の事業者の商品の運送・保管を請け負う業者、通信販売業者、インターネット上の店舗を利用する業者等が増えて、新たな法律課題が生まれている。企業の法務部門は、事業の実務を熟知して課題解決を図らなければならない。

 以下に、主な物流関連業務を例示する。この分野には労働集約的な作業が多く、輸送・荷役・保管・流通加工等を全体として最も効率的なシステムに合理化する余地が大きいとされる。

  1. ・ 包装
    商品の保護に最適の方法が採用される。梱包材料の廃棄を適切に行なう必要がある。
  2. ・ 流通加工
    値札・シールの貼付、商品の手直し作業等で、低コストで柔軟な労働力が求められる。
  3. ・ 保管
    保管倉庫、冷凍倉庫、コンテナヤード等が利用され、多品種・少量・短納期化への対応が求められる。
  4. ・ 荷役
    積み降ろし・運搬・積み上げ・仕分け・取り出し等の作業である。
    全体的に労働集約的だが、機械化・自動化が進んでいる業務もある。
  5. ・ 輸送
    輸送・積換え・保管等の全工程を効率的なシステムに構築することが求められる。
    日本の国際競争力はスピード・コストの両面で低く、港湾の貨物取扱量の国際順位は低下傾向にある。陸海空の輸送システムの構成要素を次に例示する。
    (陸)自動車(トラック、冷凍車、トレーラー等)、道路、給油所、休憩所等
    (海)船舶(フェリー、鉱石船、タンカー、LNGタンカー等)、港、コンテナヤード等
    (空)飛行機(貨物便、ヘリコプター)、空港、ヘリポート、整備場等

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(さいとう・のりみち)

1971年東京大学法学部卒業。同年松下電器産業㈱に入社し、営業、経理、経営企画、法務の業務を担当。松下電子部品㈱経営企画室長、松下電器産業㈱法務本部法務部長、JVC・ケンウッド・ホールディングス㈱監査役等を経て、2009年パナソニック㈱を退職。損害保険ジャパン日本興亜㈱ 業務品質・コンプライアンス委員会委員長を歴任。

また、内閣府消費者委員会委員(2015年秋退任)、消費者安全調査委員会臨時委員(現)、製品事故判定第三者委員会合同会議議長(現。消費者庁と経済産業省合同)、国民生活センター紛争解決委員会委員(現)、経済産業省産業構造審議会臨時委員、神戸市公正職務審査会委員(現)

 

 




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