◆SH1248◆JASRAC、BGMを利用する美容室などの店舗に対して全国一斉に法的措置 堀田昂慈(2017/06/21)

JASRAC、BGMを利用する美容室などの店舗に対して全国一斉に法的措置

岩田合同法律事務所

弁護士 堀 田 昂 慈

 

 JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)は、平成29年6月13日、店舗においてBGMを利用する美容室など、178事業者、352店舗に対し、全国一斉に民事調停を申し立てたことを公表した。JASRACは、平成27年6月9日、平成28年6月7日にも同様の措置を行っており、これが3度目の措置となる。

 本稿では、店舗におけるBGM利用に係る著作権法上の権利関係について解説する。

 

 著作権法は、第21条ないし第28条において、著作権(著作財産権)の内容を利用態様別に規定しており(支分権)、著作権者は、各条に規定された要件を満たす範囲で、著作物を独占的に利用することが認められている。そのうち、著作権法第22条においては、著作権者が、「公衆に」「直接」「聞かせることを目的として」演奏する権利(演奏権)が規定されており、著作権者は、かかる態様での演奏を独占的に行う権利を有している。そのため、著作権者以外の者は、原則として、著作権者の許諾を得ることなく、かかる態様で著作物を演奏することが禁止され、これに反して演奏を行った場合には、著作権者は、演奏行為の差止請求(著作権法第112条)や損害賠償請求(民法第709条)等を行うことができる。

 しかるに、店舗においてBGMを利用することは、録音された音源を用いて、店舗内に立ち入る「公衆に」「直接」「聞かせることを目的として」演奏する行為に該当するため、使用された楽曲について著作権を有する著作権者は、演奏行為の差止請求や損害賠償請求を行い得ることとなる。

 そして、JASRACは、原著作者や音楽出版社との間で著作権信託契約を締結して原著作権者から著作権の信託を受け、著作権者として管理業務を行っているため、JASRACに著作権が信託された楽曲が店舗においてBGMとして使用された場合には、JASRACが主体となって差止めや損害賠償を求めることができる。そこで、本件の民事調停の申立てに至ったのである。

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(ほりた・こうじ)

岩田合同法律事務所アソシエイト。2013年東京大学法学部卒業。2015年弁護士登録。

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