◆SH1238◆企業法務への道(21)―拙稿の背景に触れつつ― 丹羽繁夫(2017/06/16)

企業法務への道(21)

―拙稿の背景に触れつつ―

日本毛織株式会社

取締役 丹 羽 繁 夫

《競走馬の名前についてのパブリシティ権をめぐる判決の検討》

 ゲームソフト内で使用された競走馬の名前についてのパブリシティ権をめぐる判例について、私には、2度にわたりNBL誌「Topics」欄に執筆の機会が与えられた。「競走馬の名前についてのパブリシティ権」(NBL746号(2002.10.1))及び「競走馬の名称についてのパブリシティ権をめぐる最判平16・2・13」(NBL780(2004.3.1)であり、事案の詳細については、これらの拙稿に譲りたい。

 競走馬の名前についてのパブリシティ権をめぐる訴訟は、名古屋高判平成13年3月8日(判タ1071号294頁、以下この稿で「名古屋高判」という)及び東京高判平成14年9月12日(判時1809号140頁、以下この稿で「東京高判」という)の2つのルートで争われてきたが、最終的に、最二小判平成16年2月13日(民集58巻2号311頁)は、前者の上告審において、競走馬の名前について無体財産権を認めた名古屋高判の判断を覆し、競走馬の所有者である一審原告らに対して排他的な使用を認めることができないとして、彼らの上告を棄却した。

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丹羽 繁夫 (日本毛織株式会社取締役)

(略歴)
1948年愛知県生まれ。1971年京都大学法学部卒業後、(株)日本長期信用銀行に入行。同行法務部長を経て、2000年コナミ(株)法務部長、2003年同社執行役員(法務・知的財産本部長)就任。2008年財団法人日本品質保証機構参与、2013年日本毛織(株)監査役、2017年同取締役就任。

 「コーポレート・ガバナンスをめぐる法律上・規制上のフレームワーク」『米国のコーポレート・ガバナンスの潮流』所収(商事法務、1995)、「インサイダー取引規制の基礎となる重要事実の発生と認定」金法1545号(1999)、「ゲームソフトの著作物性をめぐる判例の展開と考察」(半田正夫先生古稀記念論集『著作権法と民法の現代的課題』所収、法学書院、2003)、「プロ野球選手のパブリシティ権をめぐる諸問題-東京地判平18・8・1が積み残した課題」NBL858号(2007)、「『ロクラク』著作権侵害差止等請求事件控訴審判決の検討-東京高判平21.1.27」NBL935号(2010)、商事法務タイムライン(2014年10月6日)「ヤフー事件判決(東京地裁平成26年3月18日)の争点と課題」、ほか多数。