◆SH1216◆公正取引委員会、「平成28年度における下請法の運用状況及び企業間取引の公正化への取組等」を公表 上西拓也(2017/06/07)

公正取引委員会、「平成28年度における下請法の運用状況及び
企業間取引の公正化への取組等」を公表

岩田合同法律事務所

弁護士 上 西 拓 也

 

 本年5月24日、公正取引委員会(以下「公取委」という。)は、「平成28年度における下請法の運用状況及び企業間取引の公正化への取組等」と題する資料を公表した(以下「本資料」という。)。本資料からは下請法(正式名称:下請代金支払遅延等防止法)が積極的に運用されている傾向を明らかに読み取ることができる。

 以下では、下請法上の規律を概観したうえで、本資料の内容を紹介し、下請法違反リスクに対処するための自発的申出制度の活用可能性についても紹介する。

 

1 下請法上の規律

(1) 親事業者の義務及び禁止行為

 下請法は資本金の大小を基準として、親事業者・下請事業者を形式的に認定することとし(図表1)、親事業者から下請事業者に対してなされる製造委託等につき、4の義務と11の禁止行為を規定している。その内容は次のとおりである。

  1. ア 義務
    ①書面の交付義務、②書類作成・保存義務(2年間)、③下請代金の支払義務を定める義務(受領日から60日以内)、④遅延利息の支払義務(年率14.6%)
  2. イ 禁止行為
    ①受領拒否、②支払遅延、③下請代金の減額(下請事業者に責任がない場合)、④返品(下請事業者に責任がない場合)、⑤買いたたき、⑥物の購入強制・役務の利用強制、⑦報復措置、⑧有償支給原材料等の対価の早期決済、⑨割引困難な手形の交付、⑩不当な経済上の利益の提供要請、⑪不当な給付内容の変更・やり直し(下請事業者に責任がない場合)

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(うえにし・たくや)

岩田合同法律事務所弁護士。2008年東京大学法学部卒業、2010年東京大学法科大学院卒業。2011年弁護士登録。『Q&A 家事事件と銀行実務』(共著、日本加除出版、2013年)、「各業務における反社勢力対応のポイント」(共著。銀行実務658号)、『Q&Aインターネットバンキング』(共著 金融財政事情研究会 2014年)等著作多数。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>

1902 年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国におい て最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会 社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与してい る。

<連絡先>

〒100-6310 東京都千代田区丸の内二丁目4番1号丸の内ビルディング10階 電話 03-3214-6205(代表)

 

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