◆SH1175◆実学・企業法務(第49回) 齋藤憲道(2017/05/22)

実学・企業法務(第49回)

第2章 仕事の仕組みと法律業務

同志社大学法学部

企業法務教育スーパーバイザー

齋 藤 憲 道

 

3. 製造・調達

(6) 環境保護

 工場は、所在地域の環境の汚染・破壊の発生源になってはならない。日本では、1970年代までの高度経済成長期に四大公害病[1]をはじめとする多くの公害問題が発生した反省から、公害防止のための多くの法令[2]が制定されている。

 法定基準を上回る大気汚染・水質汚濁・土壌汚染・騒音・振動・地盤沈下・悪臭等が生じないように、工場の製造ラインや環境維持装置などを整備[3]するのは、事業を継続するための必須条件である。

a. 廃棄物処理
 工場で発生した不良品や廃材・廃液等の産業廃棄物の処理は、処理業の許可・処理施設設置の許可・廃棄物処理基準等を定める法令[4]に従って行う。
 廃棄物は、排出した事業者が自己責任で処理するのが原則だが、自ら処理できない場合は、廃棄物の収集・運搬・処分[5]を業とする許可(一般廃棄物は市町村長、産業廃棄物は都道府県知事・政令市長)を得ている者に委託する。
 廃棄物の処理を外部委託する排出事業者は、①文書で廃棄物処理業の許可を有する処理業者に委託し、②産業廃棄物管理表(マニフェスト)制度に従って最終処分まで把握し、③多量排出事業者[6]に該当する場合は処理計画を作成しなければならない。
 なお、廃棄物の焼却は、政令等で定めるものを除き、原則として禁止されている。
 産業廃棄物を人目につかない山中等に不法投棄する産廃業者が後を絶たず、しばしば社会問題になる。廃棄を委託する側も、廃棄業者選定の是非が問われることを肝に銘じたい。

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(さいとう・のりみち)

1971年東京大学法学部卒業。同年松下電器産業㈱に入社し、営業、経理、経営企画、法務の業務を担当。松下電子部品㈱経営企画室長、松下電器産業㈱法務本部法務部長、JVC・ケンウッド・ホールディングス㈱監査役等を経て、2009年パナソニック㈱を退職。損害保険ジャパン日本興亜㈱ 業務品質・コンプライアンス委員会委員長を歴任。

また、内閣府消費者委員会委員(2015年秋退任)、消費者安全調査委員会臨時委員(現)、製品事故判定第三者委員会合同会議議長(現。消費者庁と経済産業省合同)、国民生活センター紛争解決委員会委員(現)、経済産業省産業構造審議会臨時委員、神戸市公正職務審査会委員(現)

 

 

 




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