◆SH1086◆実学・企業法務(第35回) 齋藤憲道(2017/03/30)

実学・企業法務(第35回)

第2章 仕事の仕組みと法律業務

同志社大学法学部

企業法務教育スーパーバイザー

齋 藤 憲 道

 

Ⅰ 事業運営に必要な基本機能

(2) 間接業務(通称、スタッフ業務)

 企業が保有する人・金・物・情報等の資産は、直接業務の一連のプロセスを経てはじめて手元資金になり、企業経営に貢献する。このプロセスを合法的かつ効果的に機能させるためには、間接部門(通称、スタッフ部門)による管理等の業務が欠かせない。

 資産と主な間接業務の係わりを次に例示する。

  1. a. (ヒト)については、採用・異動・退職の手続、労働協約・就業規則の制定・運用、給与・賞与の決定・支給、出勤管理・人事考課、労働組合対応等の業務が必要となる。
    人事・勤労・労政等の部門がこれを担当する。
  2. b. (カネ)については、現金出納・資金繰り・決算書作成・原価管理・税務・資金調達等の業務が必要である。
    経理・会計・財務等の部門が担当する。多くの企業で、この部門が社内決裁手続きや短期経営計画を主管・総括する。
  3. c. 土地・建物等の不動産や電気・ガス・上下水道等の事業インフラは、(特に、大企業や不動産業界において)施設・営繕等の部門が維持・管理する。
  4. d. 受注・出荷・在庫、発注・仕入・生産、物流等の物(モノ)の手配・移動・保管に関する情報は、情報システム部門(コンピュータ・システム部門)が担当する企業が多い。
  5. e. 知的財産は、その優劣が企業競争力を左右し、他者の知的財産権を侵害すると、出荷差止や操業・興行の中止に追い込まれる可能性がある。製造業では、開発した技術を特許出願し、商品や看板等に表示する商標を登録する等の知財業務が、多くの企業で重視されてきた。
    一方、出版・音楽・映画等の業界では、著作物に関する著作権(著作者の権利、及び、実演家等の権利)をめぐる関係者間の権利の取り扱いを、契約で定めて事業を行う。

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(さいとう・のりみち)

1971年東京大学法学部卒業。同年松下電器産業㈱に入社し、営業、経理、経営企画、法務の業務を担当。松下電子部品㈱経営企画室長、松下電器産業㈱法務本部法務部長、JVC・ケンウッド・ホールディングス㈱監査役等を経て、2009年パナソニック㈱を退職。損害保険ジャパン日本興亜㈱ 業務品質・コンプライアンス委員会委員長を歴任。

また、内閣府消費者委員会委員(2015年秋退任)、消費者安全調査委員会臨時委員(現)、製品事故判定第三者委員会合同会議議長(現。消費者庁と経済産業省合同)、国民生活センター紛争解決委員会委員(現)、経済産業省産業構造審議会臨時委員、神戸市公正職務審査会委員(現)

 



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