◆SH1079◆実学・企業法務(第34回) 齋藤憲道(2017/03/27)

実学・企業法務(第34回)

第2章 仕事の仕組みと法律業務

同志社大学法学部

企業法務教育スーパーバイザー

齋 藤 憲 道

 

Ⅰ 事業運営に必要な基本機能

 企業の業務には、(1)商品(機器・部品・素材等のハードと、役務・コンテンツ等のソフトを含む。以下、本項で「商品」という。)を顧客に提供する過程で商品を直接取り扱う「直接業務」と、(2)この「直接業務」に企業の資産(人・金・物・情報)を最も効果的かつ効率的に投入して活用する機能を果たす「間接業務」がある。「直接業務」はライン業務といわれることが多く、人の体に例えると骨や肉にあたる。「間接業務」はスタッフ業務ともいわれ、骨・肉を動かすのに必要な神経・血液に似た働きをする。

 企業では、「直接業務」と「間接業務」を織物の縦糸と横糸のように組み合わせて組織編成し、組織の運営ルールを定めて、企業価値を最大にするための事業運営を行う。

 ところが、実際には、組織や運営ルールの制定時には想定外であった事態が発生することがあり、それに対する(3)リスク・マネジメントの重要性の認識が高まっている。リスク・マネジメントの具体的なテーマは、企業の経営状況や市場環境によって異なる。

 なお、経営効率の観点から、直接業務や間接業務の一部又は全部を社外に委託して[1]、社内では自社が最も重視する機能に特化する企業も存在する。

 以下に、まず、(1) 直接業務、(2) 間接業務、(3) リスク・マネジメントの概要、及び(4) 事業責任者が担う役割を記して企業経営の全体像を把握した上で、直接業務と間接業務について詳しく学ぶ。

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(さいとう・のりみち)

1971年東京大学法学部卒業。同年松下電器産業㈱に入社し、営業、経理、経営企画、法務の業務を担当。松下電子部品㈱経営企画室長、松下電器産業㈱法務本部法務部長、JVC・ケンウッド・ホールディングス㈱監査役等を経て、2009年パナソニック㈱を退職。損害保険ジャパン日本興亜㈱ 業務品質・コンプライアンス委員会委員長を歴任。

また、内閣府消費者委員会委員(2015年秋退任)、消費者安全調査委員会臨時委員(現)、製品事故判定第三者委員会合同会議議長(現。消費者庁と経済産業省合同)、国民生活センター紛争解決委員会委員(現)、経済産業省産業構造審議会臨時委員、神戸市公正職務審査会委員(現)

 

 




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