◆SH1033◆最二小判 平成28年12月20日 地方自治法251条の7第1項の規定に基づく不作為の違法確認請求事件(鬼丸かおる裁判長)

【判示事項】

  1. 1  公有水面の埋立てが公有水面埋立法4条1項1号の要件に適合するとした県知事の判断に違法又は不当があるとはいえないとされた事例
  2. 2  公有水面の埋立てが公有水面埋立法4条1項2号の要件に適合するとした県知事の判断に違法又は不当があるとはいえないとされた事例
  3. 3  内閣総理大臣又は各省大臣が地方自治法245条の7第1項の是正の指示をすることができる場合
  4. 4  国土交通大臣が県に対し公有水面の埋立ての承認の取消しが違法であるとしてこれを取り消すよう是正の指示をしたにもかかわらず、県知事が当該承認の取消しを取り消さなかったことについて、地方自治法251条の7第1項にいう相当の期間が経過したとされた事例

 

【判決要旨】

  1. 1  公有水面の埋立てが公有水面埋立法4条1項1号の要件に適合するとした県知事の判断には、当該埋立てがアメリカ合衆国軍隊の使用する飛行場の代替施設を設置するために実施されるものであって、県知事が、当該代替施設の面積や埋立面積が当該飛行場の施設面積と比較して相当程度縮小されることに加え、滑走路延長線上を海域とすることにより航空機が住宅地の上空を飛行することが回避されること並びに当該代替施設が既に同国軍隊に提供されている施設及び区域の一部を利用して設置されること等に照らし、同号の要件に適合すると判断したものであり、当該判断が事実の基礎を欠くものであることや、その内容が社会通念に照らし明らかに妥当性を欠くとの事情は認められないという事情の下では、違法又は不当があるとはいえない。
  2. 2  公有水面の埋立てが公有水面埋立法4条1項2号の要件に適合するとした県知事の判断には、同号の要件に適合するか否かに関して県が定めた審査基準に特段不合理な点があることはうかがわれないこと、関係市町村長等からの回答内容を踏まえた上で行われた当該判断の過程及び内容に特段不合理な点があることはうかがわれないことなど判示の事情の下では、違法又は不当があるとはいえない。
  3. 3  内閣総理大臣又は各省大臣は、その所管する法律又はこれに基づく政令に係る都道府県の法定受託事務の処理が法令の規定に違反していると認める場合には、当然に地方自治法245条の7第1項に基づいて是正の指示をすることができる。
  4. 4  国土交通大臣が、県に対し、公有水面の埋立ての承認の取消しが違法であるとして、地方自治法245条の7第1項に基づいて当該承認の取消しを取り消すよう是正の指示をしたにもかかわらず、県知事が当該承認の取消しを取り消さなかったことについて、当該是正の指示に係る措置の内容が当該承認の取消しを取り消すという県知事の意思表示を求めるものであること、当該是正の指示がされた日の約4か月前に国土交通大臣が提起した同法245条の8第3項所定の訴訟において当該承認の取消しの適否が問題とされていたことなど判示の事情の下では、当該是正の指示がされた日の1週間後の日の経過により、同法251条の7第1項にいう相当の期間が経過したものと認められる。

 

【参照条文】

(1~4につき)公有水面埋立法4条1項、42条1項、3項

(3、4につき)地方自治法2条9項1号、245条の7第1項、公有水面埋立法51条1号、国土交通省設置法(平成27年法律第66号による改正前のもの)4条57号、国土交通省設置法4条1項57号

(4につき)地方自治法245条の8第3項、251条の7第1項

 

【事件番号等】

 平成28年(行ヒ)第394号 最高裁平成28年12月20日第二小法廷判決 地方自治法251条の7第1項の規定に基づく不作為の違法確認請求事件 上告棄却

 原 審:平成28年(行ケ)第3号 福岡高裁那覇支部平成28年9月16日判決

 

【判決文】

 

【解説文】




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