◆SH1018◆インドネシア:法人の刑事責任に関する最高裁規則 坂下 大(2017/02/14)

インドネシア:法人の刑事責任に関する最高裁規則

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 坂 下   大

 
 法人の刑事責任に関する最高裁規則(2016年13号、以下「本規則」という。)が、2016年12月29日より施行されている。インドネシアにおける企業活動やコンプライアンスの実務に影響を及ぼしうるものであるため、本稿においてその概要を紹介することとしたい。

 

1. 本規則の対象

 本規則は、実体法上法人に対する処罰規定(日本法における両罰規定に相当するもの等)が設けられている「会社犯罪」に関し、かかる法人に対する刑事責任(一定の場合における取締役等の刑事責任を含む。)及びこれに係る手続の詳細を定めたものである。(本規則において「会社犯罪」とは、関連法令に基づき会社が責任を負うこととなる犯罪行為、と定義されている。かかる「会社犯罪」は、雇用関係その他の合意による法人との関係に基づいて、ある個人が当該法人のためにした行為によってなされうる。)

 インドネシアにおいては、例えば汚職撲滅法やマネーロンダリング防止法等、法人処罰の規定を有する法令は一応存在するものの、これまでの実務をみると、そのような規定に基づいて実際に法人が起訴・処罰されることは稀であり、行為者たる役員・従業員個人の犯罪として起訴・処罰がなされる場合がほとんどであるのが実情である。本規則の施行によってかかる実務にどの程度の変化が生じるかは現時点では必ずしも明らかではないが、その責任の内容や手続がある程度詳細に定められたことにより、法人自身が起訴・処罰されるケースが増加することとなる可能性も考えられるため、より現地法人のマネジメント、コンプライアンス体制に関する注意が必要となろう。

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(さかした・ゆたか)

シンガポールを拠点として、アジア各国における種々の法律問題に関するアドバイスを行っている。シンガポール赴任前は、クロスボーダー案件を含む多業種にわたるM&A案件、事業再生案件等に従事。

2006年慶應義塾大学法学部法律学科卒業、2015年Duke University, The Fuqua School of Business卒業(MBA)。

長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/

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