◆SH1000◆ブラジルの企業結合規制 根立隆史(2017/02/06)

ブラジルの企業結合規制

西村あさひ法律事務所

弁護士 根 立 隆 史

 

1 根拠法

 ブラジル企業結合規制の根拠法は、2011年法律第12,529号(競争保護法)及び後述するCADEの一連の決議(Resolution)である。

 

2 執行機関

 ブラジルの企業結合の執行機関は、経済擁護行政委員会(The Administrative Council for Economic Defence (CADE)である。

 CADEは、経済擁護裁定評議会(The Administrative Tribunal for Economic Defence)、総監督局(The General Superintendence)及び経済調査局(The Department of Economic Studies)の3つの部署で構成されているが、企業結合審査は総監督局が担当する。

 

3 届出の対象

 合併、株式・資産等の取得、ジョイントベンチャーやコンソーシアムの組成、業務提携協定など(本件企業結合)がブラジルに影響を及ぼすものであり、かつ届出基準を満たす限り、本件企業結合は届出が義務付けられる(当局からクリアランスを取得する前にクロージングをすれば制裁金の対象となる。)。

 本件企業結合における対象会社が資産又は法人(legal entities)をブラジル国内に所有している場合、又はその額にかかわらず対象会社がブラジル国内から生じた売上高を有する場合、本件企業結合はブラジルに影響があると解されている。

 なお、日本を含め主要国における企業結合規制とは異なり、期間が2年以上であり、かつ一定の経済活動から生じるリスク及び損益を分配することを目的とする業務提携も企業結合審査の対象とされている点には留意が必要である。

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(ねだち・たかし)

西村あさひ法律事務所アソシエイト弁護士。2005年コロンビア大学ロースクール卒業(LLM)、2006年ペンシルバニア大学ロースクール卒業(LLCM)。2006年ニューヨーク州弁護士登録。2001年から2014年まで公正取引委員会(主に経済取引局及び審査局)にて勤務。2015年弁護士登録。国内外の競争当局による企業結合審査対応のほか、カルテル・入札談合等の当局対応、景表法、下請法などを専門とする。

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