◆SH0977◆第三者委員会の役割と機能 第4回 久保利英明(2017/01/24)

第三者委員会の役割と機能

第三者委員会とは何か――その概要と役割 (第4回)

日比谷パーク法律事務所代表

弁護士 久保利 英 明

 

Ⅲ 報告書開示のあり方

1. 報告書の著作権

 次に報告書開示のあり方を考えてみたいと思います。まず、報告書の著作権は誰にあるのかという議論があります。会社から依頼をされて作っているものではありますが、下請ではありませんから少なくとも法人著作ではないでしょう。明確にお答えするのは難しいですが、起案権が第三者委員会にあるということから、著作権は第三者委員会にあると考えることもできるのではないか。あるいは、単独ではなくても、会社との共有であるという考え方もあり得ると思います。

 

2. 開示する権限と責任

 次に開示する権限と責任は誰にあるでしょうか。もし会社にあるとすれば、報告書の内容が気に食わないから開示しないということができてしまいます。第三者委員会として、それを許してよいでしょうか。これらは、最初に申し上げた、まさに民事上の契約によります。第三者委員会を立ち上げるときに、会社とどのような内容の契約を結ぶかにかかっているわけです。

 なお、先ほどのガイドライン解説書の末尾に、「調査並びに再発防止策検討の委託に関する覚書(案)」というものを付けています。あくまでも1つの案ですが、できるだけ第三者委員会の独立性を高めるような覚書を結ぶことにより、報告書の著作権の帰属や開示する権限といった問題も円滑に合意できるようになればという趣旨の下で作っています。たとえば、こういった覚書や協定書の内容に、会社に報告書を開示する義務があることや、開示方法、開示する期間などを盛り込んでおくのも1つの方法です。

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(くぼり・ひであき)

1944年生まれ。1967年司法試験合格。68年東京大学法学部卒業。71年弁護士登録。
2001年度第二東京弁護士会会長、日弁連副会長。
2011年~日本取引所グループ社外取締役、日本取引所自主規制法人外部理事。
不二家、NHK、ゼンショーホールディングス等多数の第三者委員会の委員、同格付け委員会委員長を務める。桐蔭法科大学院教授。
著書『日本改造計画』(商事法務)『久保利英明ロースクール講義』(日経BP)等全73冊。