◆SH0881◆フィリピン:会社法改正法案の審議状況 前川陽一(2016/11/16)

フィリピン:会社法改正法案の審議状況

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 前 川 陽 一

 

 現在、フィリピン国会(上院通商・商業・企業委員会)において会社法の改正に関する複数の法案が審議中である。法案は、上院での審議及び議決を経た後、下院での審議及び議決も必要となるため、法律として成立するまでにはなおしばらくの時間を要するとみられるが、本改正法案が成立した場合、1980年の会社法制定以来初めての本格的な改正となることからその動向が注目されている。本改正法案の起草者は、会社法制に関する国際標準を反映させ今日的な要請に即した会社法とすることを改正の目的に掲げている。

 現行会社法の下で株式会社を設立する場合、5名以上の自然人(うち過半数はフィリピン居住者)が発起人となることが要件となっている。かかる要件は、外国投資家が現地法人を設立する場合だけでなく、現地の起業家が会社を設立して新事業を立ち上げようとする場合にも障害となっていると考えられてきた。本改正法案は、発起人の資格を自然人に限らず、法人にまで拡張している(ただし、うち過半数はフィリピン居住者又はフィリピンで設立された法人である必要はある。)。さらに、本改正法案は、新たに1人の発起人による会社の設立を可能とする制度を導入した(一人会社(One Person Corporation))。一人会社の発起人は、自然人に限られず、また居住要件も課されていないため、外国法人もなることができるとされている。ただし、外国投資法上の規制には別途留意が必要である。

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(まえかわ・よういち)

1998年東京大学法学部卒業。2006年東京大学法科大学院修了。2007年弁護士登録(第一東京弁護士会)。2013年Northwestern University School of Law卒業(LL.M.)。2013年~2016年8月Soemadipradja & Taher(Jakarta)に出向。2016年9月~長島・大野・常松法律事務所東京オフィス勤務。
現在は東京にて執務し、インドネシア及び周辺国への日本企業による事業進出および資本投資その他の企業活動に関する法務サポートを行っている。

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