◆SH0839◆政府、過労死等防止対策白書を初めて閣議決定 上西拓也(2016/10/17)

政府、過労死等防止対策白書を初めて閣議決定

岩田合同法律事務所

弁護士 上 西 拓 也

 

 本年10月7日、政府は、過労死等防止対策推進法(「過労死防止法」)に基づき、平成28年版過労死等防止対策白書(「白書」)を初めて閣議決定し、国会に提出した。

 白書には、過労死等の現状のほか、過労死防止法の制定、過労死等の防止のための対策に関する大綱の策定、過労死等の防止のための対策の実施状況が記載されている。

 以下、過労死等の現状に関する記載のうち、労働時間、労災補償に関するものに焦点を当てて紹介する。

 

年間総実労働時間

 労働者一人当たりの年間総実労働時間は緩やかに減少しているが、パートタイム労働者を除く一般労働者の年間総実労働時間は高止まりしており、労働時間の二極分化がうかがわれる。

 

1週間の就業時間が60時間以上の雇用者

 1週間の就業時間が60時間以上の雇用者の割合は全体として減少傾向にある。年齢別・性別では、30歳代、40歳代の男性の割合が高い。勤務問題を原因・動機とする自殺者のうち30歳代、40歳代の割合は高いとのデータも示されており、これらの世代の働き方に課題があることがうかがわれる。

 労働基準法(「労基法」)上、法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超える時間外労働は時間外・休日労働協定(「36協定」)に定める限度時間内でしか認められない(労基法32条、36条1項)。36協定による時間外労働の延長時間については、厚生労働大臣による限度基準に定める上限がある。

 但し、管理監督者については法定労働時間の規定は適用されないため(労働基準法41条2号)、就業時間が長くなる例も多いものと思料される。

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(うえにし・たくや)

岩田合同法律事務所弁護士。2008年東京大学法学部卒業、2010年東京大学法科大学院卒業。2011年弁護士登録。『Q&A 家事事件と銀行実務』(共著、日本加除出版、2013年)、「各業務における反社勢力対応のポイント」(共著。銀行実務658号)、『Q&Aインターネットバンキング』(共著 金融財政事情研究会 2014年)等著作多数。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>

1902 年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国におい て最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会 社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与してい る。

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