◆SH0789◆日本企業のための国際仲裁対策(第3回) 関戸 麦(2016/09/08)

日本企業のための国際仲裁対策(第3回)

森・濱田松本法律事務所

弁護士(日本及びニューヨーク州)

 関 戸   麦

 

第3回 国際仲裁に関する基礎知識(2)-国際仲裁手続の特徴

1. 強制力のある法的紛争解決手続(訴訟との共通点)

 国際仲裁手続の特徴としては、まず訴訟との共通点として、強制力のある法的紛争解決手続である点を指摘することができる。強制力があるというのは、判断権者である裁判官あるいは仲裁人が判断を示すと、当事者は、その判断の内容が仮に意に反するものであっても、その判断に従わざるを得ないという意味である。

 このように、訴訟も仲裁も、強制力のある判断が示される手続であるところ、その判断が、証拠等から事実を認定し、これに法律を適用する方法によって行われる点も、訴訟と仲裁の共通点である。

 なお、判断の対象が、基本的に、当事者から請求された事項に限られるというのも、訴訟と仲裁の共通点である。すなわち、訴訟と仲裁のいずれにおいても、原告ないし申立人の請求が認められるか否かという視点で、審理が進められる。

 以上を踏まえて、当事者が留意する根本的な点も、訴訟と仲裁で共通である。すなわち、当事者は、有利な判断を得るために、証拠収集、事実調査、法令調査等を行い、主張と立証に注力する。

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(せきど・むぎ)

森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士。訴訟、仲裁等の紛争解決の分野において、Chambers、Legal 500等の受賞歴多数。『日本企業のための米国民事訴訟対策』(商事法務、2010年)等、国際的な紛争解決に関する執筆、講演歴多数。
1996年東京大学法学部卒業、 1998年弁護士登録(第二東京弁護士会)、森綜合法律事務所(現在森・濱田松本法律事務所)入所、2004年シカゴ大学ロースクール(LL.M)卒業、 ヒューストン市Fulbright & Jaworski法律事務所にて執務、2005年ニュ-ヨーク州弁護士登録、2007年東京地方裁判所民事訴訟の運営に関する懇談会委員、2009年日本弁護士連合会民事裁判手続に関する委員会委員(現在副委員長)、2012年第二東京弁護士会司法制度調査会訴訟法部会部会長等。

 

 




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