◆SH4270◆東証、IPOに関する上場制度等の見直し案を公表――概要や新規上場準備企業に与える影響等 青木晋治(2023/01/12)

東証、IPOに関する上場制度等の見直し案を公表

――概要や新規上場準備企業に与える影響等――

岩田合同法律事務所

弁護士 青 木 晋 治

 

1 はじめに

 2022年12月16日、株式会社東京証券取引所(以下「東証」という。)は、「IPOに関する上場制度等の見直しについて」(以下「本見直し案」という。)を公表するとともに、これに関する意見募集(以下「パブリックコメント」という。)を開始した。

 本見直し案は、スタートアップ企業における新規上場手段の多様化を図る観点から、新規上場プロセスの円滑化やダイレクトリスティング[1]の環境整備などの上場制度等の見直しを行うものである。

 

2 本見直し案の主な事項

 ⑴ 新規上場プロセスの円滑化

  1.   ア 新規上場申請書類
  2.    現在、新規上場申請時及び上場承認時の二度にわたり、監査報告書を提出することが求められているが、監査法人における事務負担等を考慮して、上場申請時は不要とし、上場承認時までに提出すれば足りることとされた。
     
  3.   イ 形式要件
  4.    事業継続年数は取締役会の設置状況は問わず、株式会社としての事業継続期間を審査することとされた。
     また、公募又は売出しを行う場合の時価総額等の算定に当たっては、有価証券届出書に記載される想定価格に代えて、価格決定日に決定された公募又は売り出し価格に基づき算定された金額を審査対象とするものとされた。

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(あおき・しんじ)

岩田合同法律事務所パートナー。2007年慶應義塾大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録。『新商事判例便覧』(共著、旬刊商事法務、2014年4月25日号~)、『Q&A 家事事件と銀行実務』(共著、日本加除出版、2013年)、『民事再生手続における取立委任手形にかかる商事留置権の効力』(共著、NBL969号、2012年)、「金融ADRから学ぶ実務対応」(共著、銀行実務2012年10月号)(共著、金融財政事情研究会、2014年)等著作多数。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>
1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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