◆SH4137◆ユニゾンファンドの所有するシダックス社株式の譲渡禁止仮処分命令 辛島 聡(2022/09/16)

ユニゾンファンドの所有するシダックス社株式の譲渡禁止仮処分命令

岩田合同法律事務所

弁護士 辛 島   聡

 

1 はじめに

 本年9月7日、オイシックス・ラ・大地株式会社(「オイシックス社」)から、ユニゾンファンド(「ユニゾン」)所有のシダックス株式会社(「シダックス社」)株式につき、同月1日付で、東京地方裁判所によって、オイシックス社以外への譲渡禁止に係る仮処分命令(「本仮処分命令」)が出され、その効力が同月2日付で発生した旨のプレスリリース(「本プレスリリース」)がなされた。
 本稿では、シダックス社株式をめぐる一連の動向につき紹介し解説を加える。

 

2 本件の概要

 ⑴ オイシックス社によるシダックス社株式の公開買付け

 本年8月29日、ユニゾンが所有するシダックス社株式の取得を目的として、オイシックス社により公開買付け(「本公開買付け」)が開始された。その背景として、2019年5月、シダックス社の財務体質強化および経営支援の目的で、ユニゾンによるシダックス社への出資がなされており、その際、ユニゾンとシダックス社創業家(「創業家」)との間で株主間契約(「本株主間契約」)が締結されている。そこには、ユニゾン取得のシダックス社株式につき、創業家がユニゾンに対し、創業家または創業家が指定する者に対し売却するよう請求する権利(「本売却請求権」)が規定されており、本公開買付けは、本年6月に創業家により行使された本売却請求権に基づき、譲受人として指定されたオイシックス社がユニゾン所有株式を取得するためになされたものである。

 ⑵ ユニゾンの主張およびコロワイド社の買収提案

 ユニゾンは、本株主間契約の規定に従って売却に応じる意向を示しながらも、売却にあたっては適用法令の遵守に加え、シダックス社の企業価値や一般株主の利益が犠牲にされてはならないとして、①第三者からシダックス社に対してなされているフード関連事業の買収提案と比較してオイシックス社の買収が最善であることを確認する、本公開買付けについてのシダックス社による賛同表明、および②オイシックス社がそのような買収提案およびシダックス社による検討を認識しながら本公開買付けを行うことによるインサイダー取引懸念の解消が売却の条件であるとして、本公開買付けの応募契約の締結に応じていない。

 第三者からの買収提案に関しては、株式会社コロワイド(「コロワイド社」)が、6月からシダックス社に対し同社のフード関連事業の買収提案を行っていたが、シダックス社の混乱を回避するとして、9月14日に当該提案が撤回されたことが明らかとなった。

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(からしま・さとし)

岩田合同法律事務所弁護士。1989年早稲田大学法学部卒業。1993年弁護士登録。1997年コロンビア・ロー・スクール修了(LL.M.)。1998年米国NY州弁護士登録。金商法・会社法を中心とした証券業務・企業法務全般を取り扱う。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

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1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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