◆SH4092◆近時の漏えい等事案に対する個人情報保護委員会の対応(2)――個人情報委員会「個人情報保護法の基本(令和4年7月)」の概要 井上乾介/松尾朝子(2022/08/05)

近時の漏えい等事案に対する個人情報保護委員会の対応(2)

―個人情報委員会「個人情報保護法の基本(令和4年7月)」の概要―

アンダーソン・毛利・友常法律事務所 外国法共同事業

弁護士 井 上 乾 介

弁護士 松 尾 朝 子

 

1 はじめに

 「個人情報の保護に関する法律(平成15年法律57号)」(以下「法」という。)は、平成15年に成立し、平成27年に全面改正された。特に平成27年の改正以降、個人情報保護委員会は、個人情報保護法に対する一般の理解を深め、実務上の対応を促進する目的で、広報資料や研修資料を公表し、啓発を進めている。

 令和2年、3年と改正が相次ぎ、個人情報保護に関する規制内容が厳格化・複雑化していることをうけ、個人情報保護委員会は、啓発活動の一環として、令和4年7月13日に令和2年・3年改正を織り込んだ資料として「個人情報保護法の基本(令和4年7月)」(以下「本資料」という。)を公表した。

 本稿では、本資料の概要を紹介し、実務への示唆を検討する。

 

2 概要

⑴ 個人情報保護法の目的・概要、全体像

 本資料は、まず、個人情報保護法の目的・体系上の位置づけおよび個人情報保護委員会の権限等を紹介している。

 個人情報保護法は、個人情報保護制度の基本法として、基本理念の策定や国等の責務等(1章~3章)を定めるほか、民間事業者や行政機関等の個人情報の取扱いに関する一般法として、個別の規律を定めている(民間事業者について4章および8章等、行政機関等については5章および8章等)。

 

⑵ 個人情報・個人識別符号・要配慮個人情報等の基本概念

 次に、本資料は、個人情報保護法が規制対象とする情報について、「個人情報」、「個人識別符号」、「要配慮個人情報」、「匿名加工情報」、「個人データ」、「保有個人データ」の定義と具体例を交え、図を用いて視覚的に説明をしている。

 周知のとおり、個人情報保護法は、情報の種類に応じて規制内容を分けているため、実務的には、これらの情報の定義、具体例、相互の違いを正確に把握することが実務対応のために必須である。

 

 

 さらに、本資料では、令和2年改正で追加された「仮名加工情報」および「個人関連情報」についても、それぞれ図やポイントを使用して分かりやすく紹介している。今後、これらの情報についてのコンプライアンス対応やデータ利活用の前提として、これらの定義や具体例を把握するために、有用な内容となっている。

 

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(いのうえ・けんすけ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 スペシャル・カウンセル。2004年一橋大学法学部卒業。2007年慶応義塾大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録(東京弁護士会)。2016年カリフォルニア大学バークレー校・ロースクール(LLM)修了。2017年カリフォルニア州弁護士登録。著作権法をはじめとする知的財産法、個人情報保護法をはじめとする各国データ保護法を専門とする。

 

(まつお・あさこ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業アソシエイト。2009年大阪府立大学理学部卒業。システムエンジニアとして企業勤務を経験後、2016年一橋大学法科大学院卒業。2017年弁護士登録後(第二東京弁護士会所属)、個人情報保護法、知的財産、ライフサイエンス、IT等に関する法律問題を取り扱っている。

 

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