◆SH4053◆マレリホールディングス、事業再生ADR手続の不成立を受け、簡易再生手続開始の申立て 久木元さやか(2022/07/08)

マレリホールディングス、事業再生ADR手続の不成立を受け、
簡易再生手続開始の申立て

岩田合同法律事務所

弁護士 久木元 さやか

 

1 本件の事案の概要

 マレリホールディングス株式会社(以下「マレリ社」という。)は、令和4年3月に、準則的私的整理の一つである事業再生ADR制度の利用を申請したが、同年6月24日に開催された、事業再生計画案の決議のための債権者集会において、ADRの成立に必要となる全債権者の同意が得られず、東京地方裁判所に法的整理である簡易再生手続開始の申立てをするに至った。

 以下では、事業再生ADR制度について概説するとともに、法改正の状況や本件の評価等につき解説する。

 

2 事業再生ADR制度の概要

 事業再生ADR制度とは、法に基づく認証及び認定を受けた特定認証紛争解決事業者が、中立な専門家として、金融機関等の債権者と債務者との間の調整を実施する制度である。商取引債権者を巻き込むことなく、非公開の手続で金融債務の調整を図ることができるため、事業価値の毀損を回避できるという私的整理の利点を維持しつつ、第三者機関が手続を主宰することによってより高度の中立性、公平性を確保できる制度として活用が期待されている。

 

(「事業再生ADR制度について」(令和3年度、経済産業省産業創造課)3頁)

 

 なお、事業再生ADRの手続の流れは以下のとおりであり、事業再生計画案について全債権者のうち一人でも不同意であった場合には、事業再生ADRは不成立となり、法的整理に移行することになる。

 

(前掲・経済産業省産業創造課2頁)

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(くきもと・さやか)

岩田合同法律事務所アソシエイト。2015年東京大学文学部卒業。2017年東京大学法科大学院卒業。2018年弁護士登録。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

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