◆SH3973◆インド:競争法に基づく企業結合の届出の免除その他 山本匡(2022/04/14)

インド:競争法に基づく企業結合の届出の免除その他

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 山 本   匡

1 インド競争法に基づく企業結合の届出の免除(de minimis exemption)

 インドの2002年競争法(Competition Act, 2002)に基づき、一定の金額基準に該当する企業結合を行う場合、原則としてインド競争委員会(Competition Commission of India、通称「CCI」)に事前に届け出なければならない。ただし、対象会社のインド国内の資産が35億ルピー以下又はインド国内の売上高が100億ルピー以下である場合には事前届出は不要とされている(いわゆるde minimis exemption)。このde minimis exemptionはCCIの通達によるものであり、現在有効なde minimis exemptionは2017年3月27日に出された通達による。この通達上、上記現在の基準のde minimis exemptionの有効期間は5年間とされているため、まもなく有効期間が終了することになる。インドのde minimis exemptionは、インド競争法に基づく企業結合規制が施行された2011年当時から基準や適用範囲を変えながら延長されてきている。2022年3月に現在の基準でのde minimis exemptionが終了するとはいえ、de minimis exemption自体が延長されることは間違いないと思われる。ただし、基準の変更等が行われるか注意する必要があろう。

(※2022年3月1日現在、1ルピー=1.53円)

 

2 時効期間の不算入

 インドはコロナウイルス蔓延が大きかった国の1つであり、現在は第三波が収束しつつあるが、特に第二波は極めて深刻であった。インド全土での全面的ロックダウン等によって社会・経済活動が大きく影響を受ける中、インド政府は、法律面においては、例えば2016年倒産・破産法(Insolvency and Bankruptcy Code, 2016)に基づく倒産処理手続開始申立てのための要件の厳格化等、危機に対応するために様々な措置を行った。その概要は、NO&T Client Alert「国内外における新型コロナウイルスの影響まとめ(速報・その1~その10)」で紹介している。これらの措置の多くは一時的な措置であったが、中には、オーディオビジュアル方式による取締役会の開催の全面解禁のように後に恒久化された措置もある(オーディオビジュアル方式による取締役会の開催は従来から認められていたが、年次財務諸表の承認等の一定の事項を審議・決議する取締役会はオーディオビジュアル方式による開催が禁止されていた。)。

続きはこちらから

この他のアジア法務情報はこちらから

 

(やまもと・ただし)

2003年弁護士登録。2009年から2017年にかけて、インド・シンガポールで勤務。2015年からヤンゴンにて随時執務。新興国を中心に海外進出、各種リーガル・サポートに携わっている。

長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/

長島・大野・常松法律事務所は、約500名の弁護士が所属する日本有数の総合法律事務所です。企業法務におけるあらゆる分野のリーガルサービスをワンストップで提供し、国内案件及び国際案件の双方に豊富な経験と実績を有しています。

当事務所は、東京、ニューヨーク、シンガポール、バンコク、ホーチミン、ハノイ及び上海にオフィスを構えるほか、ジャカルタに現地デスクを設け、北京にも弁護士を派遣しています。また、東京オフィス内には、日本企業によるアジア地域への進出や業務展開を支援する「アジアプラクティスグループ(APG)」及び「中国プラクティスグループ(CPG)」が組織されています。当事務所は、国内外の拠点で執務する弁護士が緊密な連携を図り、更に現地の有力な法律事務所との提携及び協力関係も活かして、特定の国・地域に限定されない総合的なリーガルサービスを提供しています。

詳しくは、こちらをご覧ください。




メールで情報をお届けします
(毎週火曜日・金曜日)