◆SH3945◆金融庁、「監査上の主要な検討事項(KAM)の特徴的な事例と記載のポイント」を公表 齋藤弘樹(2022/03/18)

金融庁、「監査上の主要な検討事項(KAM)の特徴的な事例と記載のポイント」を公表

岩田合同法律事務所

弁護士 齋 藤 弘 樹

 

1 はじめに

 令和4年3月4日、金融庁は「監査上の主要な検討事項(KAM)の特徴的な事例と記載のポイント」(以下「本件ポイント」という。)を公表した。

 KAM(Key Audit Matters、監査上の主要な検討事項)とは、監査人が当年度の財務諸表の監査の過程で監査役等と協議した事項のうち、当該監査において特に重要と判断した事項をいい、監査人の監査報告書の記載事項となるものである。KAMは、金融庁・企業会計審議会により2018年7月に公表された「監査基準の改訂に関する意見書」により日本の監査実務に導入され、2021年3月期から、一部を除く金融商品取引法監査の適用会社について、監査報告書への記載が求められているものである。監査人は、日本公認会計士協会が定めた実務指針を参考にKAMを決定し、監査報告書に記載することになる。

 監査報告書におけるKAMの記載は、監査人が実施した監査の透明性を向上させ、監査報告書の情報価値を高めることにその意義があり、KAMを契機として利用者と経営者の対話がより促進されること等が期待される。金融庁はKAMに関する勉強会を開催し、望ましいKAMの記載や、現状の課題等について議論をしており、この度、KAMの特徴的な事例や記載にあたってのポイントを取りまとめて公表したものである。

 本件ポイントは、①傾向分析、②特徴的な事例、③検討が必要と考えられる事例の3つから構成されており、①はKAMの記載に関する統計的な内容になっている。本稿では監査を受ける立場である会社担当者や、監査人と連携する一方で監査品質に留意することになる監査役を念頭に、②③を中心に解説する。

 

2 特徴的な事例

⑴ 全般

 下記のように、監査人が監査上特に注意を払った事項のうち、当年度の財務諸表の監査において、監査人が職業専門家として特に重要であると判断した事項がKAMとして選定される。

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(さいとう・ひろき)

岩田合同法律事務所カウンセル。2010年東京大学法学部卒業。2012年東京大学法科大学院修了。2013年弁護士登録。

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1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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