◆SH3911◆厚労省、「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(案)」公表 北川弘樹(2022/02/18)

厚労省、「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(案)」公表

岩田合同法律事務所

弁護士 北 川 弘 樹

 

1 はじめに

 厚生労働省は、令和2年1月15日、令和元年6月5日に改正された労働施策総合推進法により、事業主において職場におけるパワーハラスメント防止のために雇用管理上必要な措置を講じることが義務化されたことを受けて、パワーハラスメント防止指針(「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和2年厚生労働省告示第5号))を策定・公表した。

 同指針においては、近年、労働者に対する悪質なクレームなど顧客等からの著しい迷惑行為(いわゆるカスタマーハラスメント)が問題化していることを踏まえ、顧客等からの著しい迷惑行為に関して、雇用管理上の配慮として事業主が行うことが望ましい取組の例として、①相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備、②被害者への配慮のための取組、③被害防止のための取組が規定された。さらに、今後厚労省が行っていく取組として、顧客等からの著しい迷惑行為の防止対策に関する企業向けのマニュアルの作成が予定されていた。

 このような経緯を経て、令和4年2月1日に開催された「第4回 顧客等からの著しい迷惑行為の防止対策の推進に係る関係省庁連携会議」において、カスタマーハラスメント対策対応マニュアル(案)(以下「本マニュアル案」という。)が議題にされ、カスタマーハラスメントの判断基準についての考え方や、企業が取り組むべきカスタマーハラスメント対策の具体的内容が示された。

 本稿では、本マニュアル案の概要を紹介する。

 

2 カスタマーハラスメントの概念と判断基準

 本マニュアル案においては、カスタマーハラスメントの概念を明確に定義することはできないとしつつも、「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの」をカスタマーハラスメントとして取り扱う対象としている。

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(きたがわ・ひろき)

岩田合同法律事務所弁護士。2015年東京大学法学部卒業。2017年弁護士登録。訴訟・紛争解決、人事労務分野など企業法務全般を取り扱う。

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1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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