◆SH3752◆米国デジタルヘルス規制ガイド―米国デジタルヘルス市場参入指針として― 第4回 山田愛子(2021/09/13)

米国デジタルヘルス規制ガイド
―米国デジタルヘルス市場参入指針として―

第4回

K&L Gates外国法共同事業法律事務所

弁護士・ニューヨーク州弁護士 山 田 愛 子

 

  1. 目 次
  2. Ⅰ はじめに
  3. Ⅱ デジタルヘルス事業者に適用される米国規制
    1. 1 HIPAA - 医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律
      (The Health Insurance Portability and Accountability Act of 1996)
    2. 2 その他個人情報保護に関する留意点
    3. 3 FDCA - 連邦食品・医薬品・化粧品法
      (The Federal Food, Drug, and Cosmetic Act)
    4. 4 HIPAAおよびFDCA以外の関連規制
  4. Ⅲ 米国外から米国デジタルヘルス市場に参入する場合の留意点
    1. 1 外国製造者に課される外国代理人要件(FDCA)
    2. 2 その他留意点
  5. Ⅳ 結び

 

Ⅱ デジタルヘルス事業者に適用される米国規制(続き)

1 HIPAA - 医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律

   (The Health Insurance Portability and Accountability Act of 1996)(続き)

 ⑹ モバイルヘルスアプリ事業者がHIPAAに違反した場合

 HIPAAに違反したモバイルヘルスアプリ事業者は、違反ごとにUS$100からUS$50,000以下の民事制裁金を公民権局により課される。ただし、同一の違反に関する一暦年中の民事制裁金はUS$1,500,000を超えない。違反ごとの民事制裁金の額を決定する要素としては、たとえば、HIPAA対象事業者(連載第1回参照)またはHIPAA業務受託者(連載第1回参照)がHIPAA違反の事実を認識しておらずかつ合理的な注意をもってしても知り得なかったか、違反に正当な理由があるかまたは意図的な義務違反か、違反者は違反の発生を知ってからまたは合理的な注意をもってすれば違反の発生を知り得たであろう日から30日以内に当該違反を是正したか等が挙げられる。HIPAAは違反の影響を受けた個人に訴訟提起の権利を与えていないが、経済的および臨床的健全性のための医療情報技術に関する法律(the Health Information Technology for Economic and Clinical Health Act)(以下「HITECH」という) は州検事総長に対しHIPAA違反の影響を受けた州民を代表して民事訴訟を提起する権限を与えている  。

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(やまだ・あいこ)

K&L Gates外国法共同事業法律事務所 カウンセル
コーポレートM&A、データ保護、ヘルスケア・FDAのK&L Gatesグローバル実務グループに所属。クロスボーダーM&Aを含む企業間取引を主に手掛ける。データ保護などに係る国内外の法令遵守に関するアドバイスを含む、ライフサイエンス/ヘルスケア業界、テクノロジー業界等の規制対応にも従事。製薬会社、医療機器会社、バイオテクノロジー企業、IT企業など幅広いクライアントを代理。
1996年上智大学法学部国際関係法学科卒業、2000年弁護士登録(第一東京弁護士会)、2006年コロンビア大学ロースクール(LL.M)卒業、2007年ニューヨーク州弁護士登録。
Chambers Asia-Pacific Awards (ライフサイエンス-日本)においてNoted Practitioner (2018年)、Recognized Practitioner(2019年)と評される。

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