◆SH3742◆米国デジタルヘルス規制ガイド―米国デジタルヘルス市場参入指針として― 第2回 山田愛子(2021/09/06)

米国デジタルヘルス規制ガイド
―米国デジタルヘルス市場参入指針として―

第2回

K&L Gates外国法共同事業法律事務所

弁護士・ニューヨーク州弁護士 山 田 愛 子

 

  1. 目 次
  2. Ⅰ はじめに
  3. Ⅱ デジタルヘルス事業者に適用される米国規制
    1. 1 HIPAA - 医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律
      (The Health Insurance Portability and Accountability Act of 1996)
    2. 2 その他個人情報保護に関する留意点
    3. 3 FDCA - 連邦食品・医薬品・化粧品法
      (The Federal Food, Drug, and Cosmetic Act)
    4. 4 HIPAAおよびFDCA以外の関連規制
  4. Ⅲ 米国外から米国デジタルヘルス市場に参入する場合の留意点
    1. 1 外国製造者に課される外国代理人要件(FDCA)
    2. 2 その他留意点
  5. Ⅳ 結び

 

Ⅱ デジタルヘルス事業者に適用される米国規制(続き)

1 HIPAA - 医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律

   (The Health Insurance Portability and Accountability Act of 1996)(続き)

 ⑶ 保護対象医療情報(Protected Health Information)とは何か?

 保護対象医療情報とは、HIPAA対象事業者(連載第1回参照)またはそのHIPAA業務受託者(連載第1回参照)が形式または媒体のいかんを問わず保有する、(A) (i)個人の過去、現在もしくは将来の心身の状態に関する情報、(ii) 個人に対する医療提供に関する情報、または(iii)個人に対する医療提供に関する過去、現在もしくは将来の医療費支払に関する情報であり、かつ (B)当該個人を識別しもしくは当該個人識別のために用いられることが合理的に想定される情報(個人識別可能医療情報)を意味する。保護対象医療情報には、氏名、住所、生年月日、社会保障番号を含む18の識別要素が含まれる。

 次に挙げる情報はいずれも保護対象医療情報には該当しない 。

  1.   HIPAAプライバシールール(連載第1回参照)所定の方法により匿名化された医療情報(“de-identified” health information)(以下「匿名化医療情報」という)
  2.   消費者が消費者向けアプリ(DTCアプリ)に開示した個人識別可能医療情報その他の情報(ただし、HIPAA対象事業者が当該アプリの開発者または資金提供者でない場合に限る)
  3.   HIPAA所定の基準に従い有効に取得された患者同意に基づきHIPAA規制外の者に開示された個人識別可能医療情報その他の情報

 また、研究に関し開示された情報は原則として保護対象医療情報に該当しないが、状況ごとの個別の検討および判断が必要であり、かつHIPAA以外の規制の適用があり得る点に留意が必要である。

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(やまだ・あいこ)

K&L Gates外国法共同事業法律事務所 カウンセル
コーポレートM&A、データ保護、ヘルスケア・FDAのK&L Gatesグローバル実務グループに所属。クロスボーダーM&Aを含む企業間取引を主に手掛ける。データ保護などに係る国内外の法令遵守に関するアドバイスを含む、ライフサイエンス/ヘルスケア業界、テクノロジー業界等の規制対応にも従事。製薬会社、医療機器会社、バイオテクノロジー企業、IT企業など幅広いクライアントを代理。
1996年上智大学法学部国際関係法学科卒業、2000年弁護士登録(第一東京弁護士会)、2006年コロンビア大学ロースクール(LL.M)卒業、2007年ニューヨーク州弁護士登録。
Chambers Asia-Pacific Awards (ライフサイエンス-日本)においてNoted Practitioner (2018年)、Recognized Practitioner(2019年)と評される。

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