◆SH3724◆中国:『反外国制裁法』の制定と最初の適用事例(2) 川合正倫(2021/08/24)

中国:『反外国制裁法』の制定と最初の適用事例(2)

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 川 合 正 倫

 

(承前)

2. 3 対抗措置の内容

 本法に基づく対抗措置の内容としては、関係者の出入国の制限措置のみならず、財産の差押えや押収、中国企業との取引の禁止等、中国企業と取引を行う外国企業又は中国国内の外資系企業に対して重大な影響を与えうる内容が規定されている。

  1. (一)査証の不発行、入国禁止、査証取消、国外追放
  2. (二)中国国内にある動産、不動産やその他の各種財産の差押え、押収、凍結
  3. (三)中国国内の組織、個人との関連取引、協力等の活動の禁止又は制限
  4. (四)その他の必要な措置

 なお、国務院の関係部門によって決定された対抗措置は最終的なものとされ(第7条)、不服申立のための手段は用意されていない。

2. 4 対抗措置の実施義務

 中国国内のあらゆる個人及び組織は、国務院の関係部門が講じる対抗措置を実行しなければならず、これに違反する場合は、関連活動に従事することを禁止又は制限するとされている(第11条)。また、いかなる組織及び個人も対抗措置を実行し協力する義務があり、違反する場合には法的責任を追及する旨も重ねて規定されている(第14条)。このため、中国が対抗措置として外国の特定の企業との取引を禁止する場合、中国国内の外資企業もこれに従い取引停止等の義務を負い、義務に違反して取引を継続する場合には関連する事業について禁止又は制限措置を受けることになりうる。

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(かわい・まさのり)

長島・大野・常松法律事務所上海オフィス一般代表。2011年中国上海に赴任し、2012年から2014年9月まで中倫律師事務所上海オフィスに勤務。上海赴任前は、主にM&A、株主総会等のコーポレート業務に従事。上海においては、分野を問わず日系企業に関連する法律業務を広く取り扱っている。クライアントが真に求めているアドバイスを提供することが信条。

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