◆SH3703◆東証、新市場区分の選択に係る各種手続を公表 青木晋治(2021/07/30)

東証、新市場区分の選択に係る各種手続を公表

岩田合同法律事務所

弁護士 青 木 晋 治

 

1 はじめに

 2021年7月9日、株式会社東京証券取引所(以下「東証」という。)から、「新市場区分の選択に係る各種手続のご案内」が公表された。2022年4月4日付で、市場第一部、市場第二部、マザーズ・JASDAQ(スタンダード及びグロース)の4つの市場区分が、スタンダード市場・プライム市場、グロース市場の3つの市場区分に再編されるところ、上場企業の新市場区分への選択申請に係る書類の提出方法等について公表するものである。

 東証は、2021年7月9日、移行基準日(2021年6月30日)におけるデータをもとに、新市場区分の上場維持基準への適合状況を試算し、その結果を一次判定(以下「一次判定」という。)として上場会社に通知しているが、報道によれば、市場第一部に上場する2191社のうち、約3割にあたる664社が、新たな市場区分で最上位となるプライム市場の上場維持基準を充たしていないとのことである。また、全上場企業でみると約26%の965社が移行先として想定される新市場区分の上場維持基準を充たしていないとされている。

 本稿では、新市場区分の上場維持基準の未達の企業が多数登場している状況も踏まえ、新市場区分への選択手続の流れを確認するともに、定義が見直された「流通株式」についても概説する。

 

2 新市場区分への選択手続の流れ

 新市場区分への選択手続の流れは以下のとおりである。

 上場会社は、選択期間内(本年9月以降12月末まで)に、移行を希望する市場区分を選択する。

 新市場区分の上場維持基準に未達の上場会社であっても「上場維持基準への適合に向けた計画書」を開示することで経過措置の適用があり、当面の間、緩和された基準の下で、希望する市場区分への移行が可能となるが(例えば、プライム市場の上場維持基準としての流通株式比率は35%以上であるが、経過措置における流通株式比率は5%以上である)、一定期間毎に改善の進捗を開示することが求められる。

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(あおき・しんじ)

岩田合同法律事務所パートナー。2007年慶應義塾大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録。『新商事判例便覧』(共著、旬刊商事法務、2014年4月25日号~)、『Q&A 家事事件と銀行実務』(共著、日本加除出版、2013年)、『民事再生手続における取立委任手形にかかる商事留置権の効力』(共著、NBL969号、2012年)、「金融ADRから学ぶ実務対応」(共著、銀行実務2012年10月号)(共著、金融財政事情研究会、2014年)等著作多数。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

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1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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