◆SH3701◆契約の終了 第15回 入院契約の終了(上) 岡林伸幸(2021/07/29)

契約の終了
第15回 入院契約の終了(上)

千葉大学教授

岡 林 伸 幸

 

Ⅰ はじめに

1 問題の所在

 入院契約は診療契約の1種であるが、入院に伴う医療機関(医師)と患者の法律関係は、あまり議論がなされていない。そもそも診療契約は、成立時にはその給付内容が未確定であり、その後も治療経過に応じて段階的に定まっていく流動的な性格を負うので、その終了時期にも不確定要素が多いことから、終了時期の確定に困難が伴う場合がある。そこで、入院契約がいつの時点で終了し、医療機関からの退院請求が可能であるか否かが問題となるのである。

 そこで本稿では、入院関係終了時の法律関係はどのようなものであるべきかを検討することにする。本稿で念頭に置いているのは、所謂「モンスター・ペーシャント」である。もっとも、入院契約の終了原因はそれに限られるものではなく、総論としての終了原因も検討するが、それを踏まえてどのような場合に患者の意に反する退院請求(強制退院)が可能であるかを探求したいと考えている。

 

2 本稿の構成

 本稿ではまず入院契約の意義・法的性質を検討し、その上で入院契約の終了原因を検討する。そして入院契約終了後の法律関係を検討し、最後に千葉大学医学部附属病院の取組みを紹介してその法的意味を探求する。

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