◆SH3685◆中国:RCEP協定と中国ビジネス(2) 若江悠(2021/07/15)

中国:RCEP協定と中国ビジネス(2)

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 若 江   悠

 

(承前)

2 サービス分野

 サービス分野においては、他の締約国のサービス及びサービス提供者に対し、自国の同種のサービス及びサービス提供者よりも不利でない待遇を与えなければならないとする内国民待遇義務、外資出資比率等の制限を行わないとする市場アクセス義務、並びに最恵国待遇義務等について規定されている。

 市場アクセスに関し、中国はポジティブリスト方式、すなわち附属書Ⅱに記載する特定の分野に限っての開放約束を行ったが、RCEP協定発効後3年以内にネガティブリスト方式(特定の分野以外については原則開放する方式)での開放約束に転換する手続を開始しなければならないとされている。

 外務省等の2021年4月付けファクトシートでは、「サービスの貿易に関する一般協定(WTO・GATS)や、これまでの我が国の締結済みのEPAにはない約束が含まれており、協定上に規定することにより、日本企業の海外展開における法的安定性や予見可能性が高まることが期待される」とされ、そのうち中国については、生命保険及び証券サービス、高齢者向け福祉サービス、高級物件(アパート・オフィスビル等)の不動産サービスについて外資出資比率に係る規制を行わないことを新たに約束したとされている。たしかにこれらの事項につき外資独資企業の設立が許される旨が付属書Ⅱには含まれている。しかし、これらの分野はすでに、いずれも中国の現行の外商投資参入特別管理措置(いわゆるネガティブリスト)に規定されている業種ではなく、特に外資比率の制限はすでに設けられていない。(生命保険及び証券については2020年版のネガティブリスト、高級物件の不動産サービスは2015年の外商投資指導目録にて、制限がそれぞれ削除された。高齢者向け福祉サービス(養老機構)については、制限が課せられていないだけでなく、2011年以降むしろ奨励類とされている業種である。)

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(わかえ・ゆう)

長島・大野・常松法律事務所パートナー。2002年 東京大学法学部卒業、2009年 Harvard Law School卒業(LL.M.、Concentration in International Finance)。2009年から2010年まで、Masuda International(New York)(現 NO&Tニューヨーク・オフィス)に勤務し、2010年から2012年までは、当事務所提携先である中倫律師事務所(北京)に勤務。 現在はNO&T東京オフィスでM&A及び一般企業法務を中心とする中国業務全般を担当するほか、日本国内外のキャピタルマーケッツ及び証券化取引も取り扱う。上海オフィス首席代表を務める。

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