◆SH3661◆令和3年著作権法改正の概要 井上乾介/福井佑理(2021/06/21)

令和3年著作権法改正の概要

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業

弁護士 井上 乾介

弁護士 福井 佑理

 

1 はじめに

 本年6月2日、著作権法の一部を改正する法律が公布された。今回の改正は、主に、図書館等が資料等の公衆送信などを行うための規定整備、および放送番組のインターネット同時配信等について権利処理の円滑化の2点を目的としたものである。

 

2 本改正の概要

⑴ 図書館関係の規定に関する改正

 改正前著作権法の図書館関係の権利制限規定については、現代におけるインターネットを通じた図書館資料へのアクセスへのニーズに対応できていないとの指摘がなされてきた。今回の改正では、以下の2点について、利用者のアクセスを向上させるための規定の調整が行われた。

  改正前 改正後
  1.   国立国会図書館による絶版等資料のインターネット送信

図書館等にのみ送信可能。

直接利用者に対しても送信可能(改正後著作権法(以下「改正法」という)31条8項)。図書館等を訪れることなく資料の閲覧ができるようになる。

  1.   各図書館等による図書館資料のメール送信等

調査研究のため著作物の一部の複製は可能だが公衆送信(メールでの送信等)には著作者の許諾が必要。

一定の条件のもとで、公衆送信が可能(改正法31条2項)。利用者はメール等の方法で簡便に資料を受領することができる。さらに利用者は、必要な限度で資料の複製を行うことができる(改正法31条4項)。

 さらに、権利者への配慮が図られ、図書館等の設置者が権利者に対して保証金を支払うこととされた(改正法31条5項)ほか、新たに認められた著作物の公衆送信については、著作権者の利益を不当に害することとなる場合が除かれている(改正法31条2項ただし書き)。

 なお、改正法の施行日は、①については公布日から1年以内、②については公布日から2年以内と予定されている。

 

続きはこちらから

バックナンバーはこちら

 

(いのうえ・けんすけ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 スペシャル・カウンセル。2004年一橋大学法学部卒業。2007年慶応義塾大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録(東京弁護士会)。2016年カリフォルニア大学バークレー校・ロースクール(LLM)修了。2017年カリフォルニア州弁護士登録。著作権法をはじめとする知的財産法、個人情報保護法をはじめとする各国データ保護法を専門とする。

 

(ふくい・ゆうり)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業アソシエイト。2007年一橋大学法学部卒業。国内出版社勤務。2013年東京大学法科大学院卒業。2014年弁護士登録(第一東京弁護士会)。2020年King’s College London(LLM)修了。

 

アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 https://www.amt-law.com/

<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。

<連絡先>
〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング

〈関連リンク〉



メールで情報をお届けします
(毎週火曜日・金曜日)

サイト内検索

TMI総合法律事務所
森・濱田松本法律事務所
長島・大野・常松法律事務所
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業2021年10月8日セミナー
アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業

slider_image1
slider_image2