◆SH3630◆株主提案に対する取締役会の反対決議(日鉄ソリューションズ株式会社) 丸山真司(2021/05/21)

株主提案に対する取締役会の反対決議(日鉄ソリューションズ株式会社)

岩田合同法律事務所

弁護士 丸 山 真 司

 

1 本件株主提案の概要

 日鉄ソリューションズ株式会社(以下「本件会社」という。)の定時株主総会(2021年6月開催予定)に関し、同年4月21日、同社株主であるAVI Japan Opportunity Trust PLC (以下「提案者」という。)が概要以下のとおりの株主提案を行った。

⑴(追加)配当要求

 提案者は、本件会社の現預金同等物が財務基盤安定を理由として正当化できるレベルをはるかに超えており、同社が資産を有効に活用できていないと指摘し、これらの現預金同等物は株主に対してより高いリターンをもたらすよう活用されるべきであるとして、(追加)配当を要求している。

⑵ 自己株式の取得要求

 提案者は、本件会社が政策保有株式を過度に保有していること、それが同社の低い資本利益率の一因であることを指摘し、資産の不適切な配分を是正して資本利益率を改善すべきであるとして自己株式の取得を提案し、さらに、取得原資は政策保有株式の一部を売却することで調達可能であるとしている。

 また、本件会社の発行済株式の多くを単独の株主が保有しているため株式の流動性が低い点を指摘し、当該株主から自己株式を取得した場合は株式の流動性を高めることが可能であり、変更が予定されている東京証券取引所の市場区分にかかるリスクを軽減できるとしている。

⑶ 取締役に対する株式報酬制度の導入要求

 提案者は、本件会社においては取締役について中長期的な業績と明確に連動する、投資家にとっても透明性のある報酬制度が導入されていないとして、経営陣に対して、会社の企業価値の持続的な向上を図り、長期的な意思決定を促すためのインセンティブを提供するために業績連動株式報酬制度を導入すべきであるとしている。

 同年4月28日、本件会社の取締役会は、提案者によるこれらの提案の全てについて反対することを決議した。

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(まるやま・しんじ)

岩田合同法律事務所弁護士。2007年東京大学法学部卒業。2008年弁護士登録。2013年から2018年までRAJAH & TANN ASIAタイオフィス出向。銀行、保険会社、電力会社関係訴訟等の紛争解決案件を数多く手掛けるほか、東南アジア諸国の外資規制、会社法制、労働紛争等にも強みを持つ。

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1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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