◆SH3536◆ベトナム:外国人労働者に関する新しい施行細則(1) 中川幹久(2021/03/17)

ベトナム:外国人労働者に関する新しい施行細則(1)

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 中 川 幹 久

 

 ベトナムでは新しい労働法(法律第45/2019/QH14号。以下「新労働法」)が2021年1月1日に施行され、これに合わせて複数の施行細則が段階的に成立し始めている。本稿では、そうした施行細則のうち、ベトナムで就労する外国人労働者及びベトナムで外国組織等のために就労するベトナム人労働者の規制について定めた政令(政令第152/2020/NÐ-CP号。以下「政令152号」)に関して、労働許可証の取得や更新についての変更点など、特に実務的に関心が高いと思われる点を中心に概説したい。なお、政令152号は、2020年12月30日付で成立し、2021年2月15日に施行された。

 

労働許可証の更新について

 旧労働法(法律第10/2012/QH13号。以下「旧労働法」)では、労働許可証の期間は2年を上限とし、期間が満了した場合には、再発給を申請する形で事実上更新を行っていた。新労働法では、労働許可証の期間は旧労働法と同様に2年を上限としつつ、2年を上限に1回に限りその延長が可能であることが明記された。この規定の趣旨については、労働許可証は最大で4年までしか認められず、今後外国人労働者はベトナムでは最大4年しか就労できないということであるのか、それとも、より簡便な申請手続が可能な延長手続は1回に限り認められ、その後は再度新規での労働許可証の取得手続をとらなければならないということであるのか議論があり、政令でこの点が明確になることが期待されていた。残念ながら、政令152号では、かかる議論の帰結について必ずしも明確に定めておらず、延長申請の手続では、新規取得の申請手続の際に提出が必要な書類の一部の提出が不要とされるなど、新規取得の場合より簡便な手続になっていることもあり、上記いずれの考え方も成り立ちうる内容になっている。そのため、政令152号の内容からは、いずれの考え方が採用されたのか定かではない。本稿の執筆時点において、新労働法施行から約1ヶ月が経過しているが、少なくとも現時点では労働許可証の更新に際してのトラブルはそれほど聞こえてこないが、今後の動向を注視する必要がある。

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(なかがわ・もとひさ)

長島・大野・常松法律事務所ホーチミンオフィス代表。1999年慶応義塾大学法学部法律学科卒業。2003年第一東京弁護士会登録。2009年 Stanford Law School(LL.M.)卒業。2009年~2010年Pillsbury Winthrop Shaw Pittman LLP(ニューヨーク)勤務。2011年11月から約2年半、アレンズ法律事務所ホーチミンオフィスに出向。ベトナム赴任前は、M&Aその他の企 業間取引を中心とした企業法務全般にわたるリーガルサービスを提供し、現在は、ベトナム及びその周辺国への日本企業の進出及び事業展開に関する支援を行っ ている。

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