◆SH3518◆中国:輸出管理法と信頼できないエンティティリスト規定について(1) 若江 悠(2021/03/08)

中国:輸出管理法と信頼できないエンティティリスト規定について(1)

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 若 江   悠

 

 アメリカにおける大統領選挙を前に、2020年8月には輸出禁止・輸出制限技術リストが改正され、9月には信頼できないエンティティリスト規定が制定、即日施行され、また10月には、長年審査中であった輸出管理法が制定され、米中対立の中で中国による対抗策として用いられ得る手段が続々と準備されている状況にある。本稿で扱う輸出管理法と信頼できないエンティティリスト規定のいずれも、抽象的な規定が多く、今後のバイデン政権への移行に伴いアメリカの対中政策がどのように変化するかにより運用が変わってくるところも多いと見込まれ、下位規定の制定内容含め、今後の動向が注目されるところであるが、本稿では五回に分けて、それぞれの規定内容を重要な点にしぼって概観する。

 

Ⅰ 輸出管理法

 2020年10月17日、中国の全人大常務委員会により「中華人民共和国輸出管理法」(以下「輸出管理法」という。)が採決、公布され、同法は2020年12月1日から施行された。これまで中国の輸出規制は、主に核、ミサイル、生物化学兵器などの大量破壊兵器に利用されるおそれのある貨物・技術に関して、個別の行政法規や部門規定が規定されていた。国際的にも、世界の工場であり、貿易大国である中国に対し、安全保障輸出管理についての制度整備が期待されるなかで、中国でも、通常兵器関連を含めた統一的な輸出管理制度を確立するための立法作業が進められ、2017年6月16日、商務部より輸出管理法のパブリックコメント版が公布された。その後、三度にわたり修正された草案につき審議が行われ、このたび輸出管理規制に関する中国で初めての包括的な法律が制定されるに至った。草案の修正過程において、米中対立の影響を受け、域外適用条項や報復条項などが追加され、「国家の安全と利益」との観点がより強調された内容となっている。

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(わかえ・ゆう)

長島・大野・常松法律事務所パートナー。2002年 東京大学法学部卒業、2009年 Harvard Law School卒業(LL.M.、Concentration in International Finance)。2009年から2010年まで、Masuda International(New York)(現 NO&Tニューヨーク・オフィス)に勤務し、2010年から2012年までは、当事務所提携先である中倫律師事務所(北京)に勤務。 現在はNO&T東京オフィスでM&A及び一般企業法務を中心とする中国業務全般を担当するほか、日本国内外のキャピタルマーケッツ及び証券化取引も取り扱う。上海オフィス首席代表を務める。

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