◆SH3495◆中国:個人情報保護法(草案)の概要(4) 川合正倫/鈴木章史(2021/02/19)

中国:個人情報保護法(草案)の概要(4)

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 川 合 正 倫
弁護士 鈴 木 章 史

 

(承前)
 

9. 越境移転規制及び国内保存義務

(1)中国国外への越境移転規制

 本法案は、中国国内の個人情報の国外への越境移転が認められるためには、個人情報の取扱者に業務等の必要性がある場合で、かつ以下の条件のうち少なくとも1つの条件を具備する必要があるとしている(38条)。

  1. (a)国家インターネット情報部門による安全評価に合格した場合
  2. (b)国家インターネット情報部門の規定に基づく専門機関による個人情報保護の認証を取得している場合
  3. (c)国外の移転先と契約を締結し、双方の権利義務を合意し、その個人情報取扱活動が本法の規定する個人情報保護基準に達していることを監督する場合
  4. (d)法律、行政法規又は国家インターネット情報部門の規定するその他の条件を満たす場合
  5.  

 上記(c)にあるとおり、契約の締結及び移転先の監督により個人情報の越境移転が認められることになり、具体的な対応については今後の実務動向や関連法令を確認する必要があるが、この方法が国外移転を行う際の一般的な方法となることが予想される。現時点においては施行されていないが、2019年6月に公表された「個人情報の越境移転安全評価弁法(パブリックコメント募集稿)」では、広くネットワーク運営者(ネットワークの所有者、管理者及びネットワークサービスの提供者を指し、ネットワークを利用して事業を行う限りこれに該当する)に対して個人情報の越境移転の際に政府の安全評価を受ける義務が課されていた。当該パブリックコメント募集稿と比べると、事業者に一定の義務を課しつつも、その越境移転の必要性及び便宜に応える合理的な内容となっていると評価できる。

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(かわい・まさのり)

長島・大野・常松法律事務所上海オフィス一般代表。2011年中国上海に赴任し、2012年から2014年9月まで中倫律師事務所上海オフィスに勤務。上海赴任前は、主にM&A、株主総会等のコーポレート業務に従事。上海においては、分野を問わず日系企業に関連する法律業務を広く取り扱っている。クライアントが真に求めているアドバイスを提供することが信条。

 

(すずき・あきふみ)

2005年中央大学法学部卒業。2007年慶應義塾大学法科大学院修了。2008年弁護士登録(第一東京弁護士会)。同年都内法律事務所入所。2015年北京大学法学院民商法学専攻修士課程修了。同年長島・大野・常松法律事務所入所。主に、日系企業の対中投資、中国における企業再編・撤退、危機管理・不祥事対応、中国企業の対日投資案件、その他一般企業法務を扱っている。

 

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