◆SH3491◆ベトナム:新労働法による変更点⑩ 就業規則 澤山啓伍(2021/02/17)

ベトナム:新労働法による変更点⑩ 就業規則

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 澤 山 啓 伍

 

 新労働法(45/2019/QH14、以下「新法」)が2021年1月1日に施行されました。新法による現行法からの主要な変更点や、企業が労務管理上、気をつけるべきポイントの第10回として、今回は、就業規則に関する変更点を解説します。新法の施行に伴い、多くの使用者にとって就業規則の変更、再登録が必要になるため、今回の内容は重要です。なお、弊職らが作成した新法の日本語仮訳が、JETROのウェブサイトで公開されていますので、ご参照下さい。

 

1. 変更内容の概要

論点 旧法 新法
就業規則の公布義務 10人以上の労働者を使用する使用者は、文書による就業規則を所持しなければならない。
(119条1項)
使用者は、就業規則を公布しなければならず、10人以上の労働者を使用する場合、就業規則は書面によらなければならない。 (118条1項)
就業規則の必要的記載事項
  1. •  労働時間、休憩時間
  2. •  職場における秩序
  3. •  職場における労働安全・労働衛生
  4. •  使用者の財産・営業上の秘密・技術上の秘密・知的所有権の保護
  5. •  労働者の労働規律違反行為及び労働規律処分の形式
  6. •  物的責任
    (119条2項)
  1. •  労働時間、休憩時間
  2. •  職場における秩序
  3. •  労働安全・衛生
  4. •  職場におけるセクシャルハラスメントの予防・対応、職場におけるセクシャルハラスメント行為の処分の手順、手続き
  5. •  使用者の財産・営業上の秘密・技術上の秘密・知的所有権の保護
  6. •  労働契約と異なる業務に一時的に労働者を異動する場合
  7. •  労働者の労働規律違反行為及び労働規律処分の形式
  8. •  物的責任
  9. •  労働規律処分の権限を有する者 
    (118条2項)
就業規則の登録 使用者は、就業規則を労働に関する省レベル国家管理機関に登録しなければならない。
(120条1項)
  1. •  10人以上の労働者を使用する使用者は、使用者が事業を登録した地方の省級人民委員会に属する労働に関する専門機関に就業規則を登録しなければならない。
  2. •  異なる多数の地方に事業場等を配置している使用者は、登録された就業規則を、事業場等を設置している地方の省レベル人民委員会に属する労働に関する専門機関に送付する。 
    (119条1項、4項)
就業規則の効力 就業規則は、労働に関する省レベル国家管理機関が、就業規則登録書類を受理した日から15日後に有効となる。ただし、第 120条第3項の規定(就業規則に問題がある場合の是正に関する規定)に該当する場合を除く。 
(122条)
  1. •  就業規則は、管轄国家機関が就業規則の全ての登録書類を受領した日から15日後に有効となる。
  2. •  10人未満の労働者を使用する使用者が就業規則を書面により公布する場合、その効力は使用者が就業規則において決定する。 
    (121条)

 

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(さわやま・けいご)

2004年 東京大学法学部卒業。 2005年 弁護士登録(第一東京弁護士会)。 2011年 Harvard Law School卒業(LL.M.)。 2011年~2014年3月 アレンズ法律事務所ハノイオフィスに出向。 2014年5月~2015年3月 長島・大野・常松法律事務所 シンガポール・オフィス勤務 2015年4月~ 長島・大野・常松法律事務所ハノイ・オフィス代表。

現在はベトナム・ハノイを拠点とし、ベトナム・フィリピンを中心とする東南アジア各国への日系企業の事業進出や現地企業の買収、既進出企業の現地でのオペレーションに伴う法務アドバイスを行っている。

長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/

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