◆SH3433◆ベトナム:新労働法による変更点⑨ 懲戒処分 澤山啓伍(2020/12/25)

ベトナム:新労働法による変更点⑨ 懲戒処分

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 澤 山 啓 伍

 

 2021年1月1日に施行される新労働法(45/2019/QH14、以下「新法」)による現行法からの主要な変更点や、企業が労務管理上気をつけるべきポイントの第9回として、労働規律処分(懲戒処分)について現行法と新法を比較しながら解説します。なお、弊職らが作成した新法の日本語仮訳が、JETROのウェブサイトで公開されていますので、ご参照下さい。

1. 変更内容の概要

論点 現行法 新法
労働規律の概念 労働規律とは、就業規則における、時間、技術及び生産経営の指揮の遵守についての規定である。(118条) 労働規律とは、使用者により就業規則で公布され、又は法令により定められる、時間、技術及び生産経営の指揮の遵守についての規定である。(117条)
禁止行為 就業規則に定めのない違反行為を行った労働者に対して、労働規律処分を行うこと。(128条) 就業規則に定めのない、締結済みの労働契約で合意されていない、又は労働に関する法令において定めのない違反行為を行った労働者に対して、労働規律処分を行うこと(127条)
懲戒処分会議への労働者代表組織の参加 基礎レベル労働者代表組織の参加がなければならない。(123条1項b号) 規律処分を受ける労働者が構成員である基礎レベル労働者代表組織の参加がなければならない。(122条1項b号)

 

2. 就業規則がない場合の懲戒処分の可否

 労働規律違反に対する懲戒処分については、新法第119条及び第127条で現行法からの若干の文言の修正が加えられています。この変更箇所だけをみるとさほど重要な変更にはみえませんが、実務的には、就業規則を登録していない労働者10名未満の小企業でも懲戒処分を行うことができることを明確にした重要な変更であると考えられます。

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(さわやま・けいご)

2004年 東京大学法学部卒業。 2005年 弁護士登録(第一東京弁護士会)。 2011年 Harvard Law School卒業(LL.M.)。 2011年~2014年3月 アレンズ法律事務所ハノイオフィスに出向。 2014年5月~2015年3月 長島・大野・常松法律事務所 シンガポール・オフィス勤務 2015年4月~ 長島・大野・常松法律事務所ハノイ・オフィス代表。

現在はベトナム・ハノイを拠点とし、ベトナム・フィリピンを中心とする東南アジア各国への日系企業の事業進出や現地企業の買収、既進出企業の現地でのオペレーションに伴う法務アドバイスを行っている。

長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/

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