◆SH3434◆全株懇、提案書「会社法改正の概要と株式実務への影響」を公表――株主提案権の制限に関する法改正及び実務対応 池田美奈子(2020/12/25)

全株懇、提案書「会社法改正の概要と株式実務への影響」を公表

――株主提案権の制限に関する法改正及び実務対応――

岩田合同法律事務所

弁護士 池 田 美奈子

 

1.はじめに

 全国株懇連合会は、令和元年12月4日に成立、同月11日に公布された「会社法の一部を改正する法律」(以下、同法律による改正後の会社法を「改正会社法」という。)に関する解説、実務対応上の留意点について説明した提案書「会社法改正の概要と株式実務への影響」(以下、「本提案書」という。)を取りまとめ、公表した。

 改正会社法では、コーポレート・ガバナンスの強化を目的として、株主総会資料の電子提供制度の創設、株主提案権の制限のほか、取締役の報酬等、社外取締役の活用等に係る制度の整備等、取締役に関する規律の見直しもなされている。これら改正事項のうち、株主総会資料の電子提供制度に関する規定の施行時期は、公布日から3年6か月以内とされており、令和4年度中の施行が予定されているが、その他の改正事項については、施行日が令和3年3月1日と、目前に迫っている。

 本稿では、施行日が迫っている改正事項のうち、株主提案権の制限に関する改正会社法の内容及び本提案書の内容について紹介する。

 

2.株主提案権の制限

    改正会社法では、株主提案権の濫用的な行使を制限することを目的として、取締役会設置会社の株主が同一の株主総会において提案する議案の数が10を超える場合は、会社は、その超えた数の議案については、議案の要領通知請求権を拒絶することができることとなった(改正会社法305条4項)。そして、かかる制限を設けることによる不都合を回避するために、併せて、役員の選解任議案と定款変更議案についての議案の個数の数え方を定める規定も設けられた。

 

⑴ 役員等の選解任議案

 役員等の選解任議案については、候補者1名ずつについて1議案であると解されていることから、株主提案することのできる議案の数の制限を形式的に適用すると、10名を超える役員等の選任を求めることができない、又は10名の役員等を選任する議案を提案すると、それ以外の議案を提案することができないという不都合が生ずる。

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(いけだ・みなこ)

岩田合同法律事務所アソシエイト。日本及び米国(NY州)弁護士。2007年東京大学法学部卒業。2009年University of Michigan Law School修了(LL.M.)。2010年早稲田大学法科大学院修了。約4年間、海事専門法律事務所に所属し、海事案件の経験も豊富に有する。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>
1902 年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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