◆SH3416◆知的財産取引検討会、中小企業における知財・ノウハウの保護を目的として知的財産取引ガイドライン(案)等を公表 石川裕彬(2020/12/11)

知的財産取引検討会、中小企業における知財・ノウハウの保護を目的として
知的財産取引ガイドライン(案)等を公表

岩田合同法律事務所

弁護士 石 川 裕 彬

 

1 はじめに

 中小企業庁では、令和2年7月22日より「知的財産取引検討会」を開催し、中小企業の知的財産等の保護のあり方に関して、これまで5回にわたり検討がなされている。当該検討会は、知的財産に係る取引において、大企業と中小企業との間に不適切な取引慣行(例えば、一方的条件に基づいた契約の締結、ノウハウ等の開示の強要、及び知的財産権の召し上げ等がある。)が依然として存在しているという認識のもと、かかる慣行を解消し、企業間における知的財産取引をWin-Winの関係にすることを目的として開催されている。

 そして、令和2年11月26日、知的財産取引検討会(第5回)が開催され、当該検討会資料として、知的財産取引に係るガイドライン(案)並びに、秘密保持契約書、共同開発契約書、開発委託契約書及び製造委託契約書のひな形(案)等の資料が公表されている。

 知的財産取引に係るガイドライン(案)(以下「本ガイドライン案」という。)は、4つの資料をもとに、知的財産がかかわる取引における基本的な考え方と参考事例が整理されている。4つの資料は、具体的には、①中小企業庁実施のヒアリング調査、②公正取引委員会報告書、③「下請Gメン」によるヒアリング調査、④特許庁に寄せられた相談事例である。以下、本ガイドライン案の概要を紹介する。なお、知的財産取引検討会(第5回)の議事要旨は未公表であることから、本稿では公表されている本ガイドライン案等の資料に基づき解説を加える。

 

2 契約締結前(取引交渉段階・工場見学等)について

 ノウハウや技術上又は営業上の秘密は、企業の事業活動において極めて重要なものであり、取引交渉や工場見学等により営業秘密を開示する必要がある場合は、事前に秘密保持契約の締結をすべきことが指摘されている。秘密保持契約書を作成する際は、営業秘密の開示者側であるか受領者側であるか、秘密の範囲をどの程度にするかなど、各取引内容に応じて適切に規定することが重要であると考える。

  1. (実際の事例)
  2. ・ E社は、得意先であるF社から工場見学を受け入れたが、F社によりノウハウが奪われ、同社内で内製化された。

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(いしかわ・ひろあき)

岩田合同法律事務所アソシエイト。2010年名古屋大学理学部物理学科卒業。2014年大阪大学法科大学院修了。2016年弁護士登録。知的財産法分野を中心に企業法務全般を取り扱う。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

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1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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