◆SH3407◆法務省、法制審議会民事訴訟法(IT化関係)部会第5回会議(2020年11月6日開催) 日下部真治(2020/12/01)

法務省、法制審議会民事訴訟法(IT化関係)部会
第5回会議(2020年11月6日開催)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所

弁護士 日下部 真 治

 

1 裁判IT化の基本的方向性

 内閣官房に設置された「裁判手続等のIT化検討会」は、2018年3月30日に公表した取りまとめにおいて、基本的方向性として、「e提出」、「e事件管理」および「e法廷」という3つの観点から、民事裁判手続等の全面IT化を目指すべきであるとした。大まかにいえば、「e提出」とは、裁判書類を電子的に提出することを、「e事件管理」とは、裁判所が電子的に管理する訴訟記録や事件情報に訴訟の当事者(訴訟代理人を含む。)がオンラインでアクセスできることを、「e法廷」とは、裁判所で行われてきた期日等の手続をウェブ会議などで電子的に行うことを、それぞれ意味する。上記取りまとめでは、裁判IT化を、3つのフェーズ、すなわち、現行法下で可能な範囲での「e法廷」の実現というフェーズ1、法改正により可能となる「e法廷」の実現というフェーズ2、法改正およびIT化された事件管理システムの構築を要する「e提出」および「e事件管理」の実現というフェーズ3の順に、段階的に実現すべきこと、そのいずれのフェーズについても、検討・準備には直ちに着手すべきことが提案された。

 

「裁判手続等のIT化の主な内容」

 

「利用者目線から望まれる裁判IT化のプロセスのイメージ」


 

 その後、2018年6月15日に政府が閣議決定した「未来投資戦略2018」において、上記の方向性は政府の政策方針となり、IT化の遅れが顕著になっていたわが国の民事裁判について、ようやくIT化の方針が固まった。そして、IT化は、訴え提起から判決に至るまで裁判手続の全体に影響を及ぼすものであることから、裁判IT化の方針決定は、民事裁判が20年ぶり以上の大きな変革を迎えることも意味するものであった。

 

2 裁判IT化に向けた具体的な動き

 上記1の方針を受けて、以下のように、裁判IT化に向けた具体的な動きが始まっている。


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(くさかべ・しんじ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー。1993年東京大学法学部卒業。1995年弁護士登録(第二東京弁護士会)。1999年米国ニューヨーク大学ロースクール(LLM)修了。2000年ニューヨーク州弁護士登録。2010年から2013年まで最高裁判所司法研修所民事弁護教官。2017年から2018年まで第二東京弁護士会副会長。2017年から2018年まで内閣官房「裁判手続等のIT化検討会」委員。2018年から2019年まで商事法務研究会「民事裁判手続等IT化研究会」委員。2018年から司法試験及び司法試験予備試験考査委員(民事訴訟法担当)。2019年から日本弁護士連合会「民事裁判手続に関する委員会」委員長。2020年から日本弁護士連合会常務理事。2020年から法制審議会民事訴訟法(IT化関係)部会委員。

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アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。

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