◆SH3406◆外務省、東アジア地域包括的経済連携協定(RCEP)署名 中川淳司(2020/12/01)

外務省、東アジア地域包括的経済連携協定(RCEP)署名

アンダーソン・毛利・友常法律事務所

弁護士 中 川 淳 司

 

1 RCEP交渉の妥結

 11月15日、ASEAN加盟10ヵ国と日中韓、オーストラリア、ニュージーランドの15ヵ国の首脳はRCEP(東アジア地域包括的経済連携協定)に署名した。新型コロナウィルス感染症のため、署名式はテレビ会議方式で開催された。菅首相立合いの下、梶山経済産業大臣が他の14ヵ国の代表とともに協定に署名、別途署名を済ませていた茂木外務大臣との連署となった。2012年11月の交渉開始以来8年間、交渉会合31回、閣僚会合を加えると50回に及ぶマラソン交渉を積み重ねた広域FTA(自由貿易協定)がようやくまとまった。惜しまれるのは、交渉の終盤になって、貿易自由化による貿易赤字拡大への懸念などを理由に、インドが交渉から離脱したことである。この結果、RCEPの経済圏は人口で世界の46%から29%、GDPで世界の33%から3割と縮小した。それでも、協定が発効すれば人口、GDPともにEUやCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)を凌駕する世界最大の自由貿易圏が誕生することになる。

 

2 RCEPの経済的意義

 日本は当初からRCEPの交渉を熱心に推進した。それは何よりもRCEPがASEAN、そして中国、インドという巨大市場をカバーするFTAであったからだ。RCEPは物の貿易の自由化をもたらすだけではない。サービス貿易や投資の自由化もカバーしている。知的財産、電子商取引、競争などについても詳細なルールを定めている(表を参照)。

続きはこちらから

 

(なかがわ・じゅんじ)

アンダーソン・毛利・友常法律事務所客員弁護士。中央学院大学現代教養学部教授、同社会システム研究所長。東京大学名誉教授。1979年東京大学法学部卒業。1987年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。1988年東京大学法学博士。東京工業大学工学部助教授、東京大学社会科学研究所助教授、同教授を経て2019年より現職。この間、ジョージタウン大学ローセンター、ハーバードロースクール、エルコレヒオデメヒコで客員研究員。タフツ大学フレッチャースクール、ベルリン自由大学他で客員教授。2019年弁護士登録(第二東京弁護士会)。

アンダーソン・毛利・友常法律事務所 http://www.amt-law.com/

<事務所概要>
アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、日本における本格的国際法律事務所の草分け的存在からスタートして現在に至る、総合法律事務所である。コーポレート・M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、知的財産、労働、紛争解決、事業再生等、企業活動に関連するあらゆる分野に関して、豊富な実績を有する数多くの専門家を擁している。国内では東京、大阪、名古屋に拠点を有し、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタ等のアジア諸国に拠点を有する。

<連絡先>
〒100-8136 東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルディング

〈関連リンク〉



メールで情報をお届けします
(毎週火曜日・金曜日)

サイト内検索