◆SH3393◆法務省、法制審議会仲裁法制部会 第1回会議を開催――国際仲裁の活性化のための仲裁法の見直しを検討 上西拓也(2020/11/19)

法務省、法制審議会仲裁法制部会 第1回会議を開催

――国際仲裁の活性化のための仲裁法の見直しを検討――

岩田合同法律事務所

弁護士 上 西 拓 也

 

1 はじめに

 法制審議会仲裁法制部会は、経済取引の国際化の進展等の仲裁をめぐる諸情勢に鑑み、仲裁手続における暫定措置又は保全措置に基づく強制執行のための規律を整備するなど仲裁法等の見直しについて調査審議するため、法務大臣による「仲裁法制の見直しに関する諮問」(第112号)を受けて新設されたものであり、国際仲裁の活性化のための仲裁法の見直しを検討するものである。

 

2 日本における国際仲裁を取り巻く状況

 国際仲裁とは、国際的な取引等を巡る紛争の解決について、当事者が選任した第三者(仲裁人)の判断に委ねる紛争解決制度である。国際仲裁は、「外国仲裁判断の承認及び執行に関する条約」により大多数の国において外国での仲裁判断の執行が可能であること、仲裁手続や判断が非公開であること、司法の廉潔性に懸念のある国の司法制度の利用を回避することが可能となることといった、裁判では実現できないメリットを有しており、グローバル化が進む社会における国際的な紛争を解決する手段として、その有用性を増してきている。しかしながら、日本国内における国際仲裁の取扱件数は、2018年に13件、2019年に9件と依然として低調に推移しているため、国際的な紛争の解決手段としてグローバルスタンダードとなっている国際仲裁を活性化することが急務となっている。また、国際仲裁と相互利用される国際紛争解決手段として、国際調停があり、国際調停の活性化は国際仲裁の活性化に資するものと考えられることから、これらは同時に検討が進められている。なお、国際調停は、当事者が選任した第三者(調停人)が、対立する当事者間の交渉や協議を調整し、紛争を解決に導くという紛争解決制度である。

 近時、日本においては、これらの国際紛争解決促進のための取組みが相次いで行われており、京都調停センターの設立(2018年)、日本国際紛争解決センターによる国際仲裁・調停審問施設の設置(大阪施設:2018年、東京施設:2020年)に加え、日本商事仲裁協会の仲裁規則の改正(2019年)等が実施された。今般の法制審議会仲裁法制部会における議論により、国際仲裁の活性化が加速されることが期待される。

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(うえにし・たくや)

岩田合同法律事務所弁護士。2008年東京大学法学部卒業、2010年東京大学法科大学院卒業。2011年弁護士登録。『Q&A 家事事件と銀行実務』(共著、日本加除出版、2013年)、「各業務における反社勢力対応のポイント」(共著。銀行実務658号)、『Q&Aインターネットバンキング』(共著 金融財政事情研究会 2014年)等著作多数。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>

1902 年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国におい て最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会 社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与してい る。

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