◆SH3371◆放送番組のインターネット同時配信等に係る権利処理の円滑化に関するワーキングチーム、制度改正等についての中間まとめ案を公表 工藤良平(2020/11/06)

放送番組のインターネット同時配信等に係る権利処理の円滑化に関する
ワーキングチーム、制度改正等についての中間まとめ案を公表

岩田合同法律事務所

弁護士 工 藤 良 平

 

 文化庁に設置された放送番組のインターネット同時配信等に係る権利処理の円滑化に関するワーキングチーム(以下「本ワーキングチーム」という)は、令和2年10月12日、放送番組のインターネット同時配信等に係る権利処理の円滑化に関する制度改正等についての中間まとめ案(以下「本中間まとめ案」という)を公表した。

 現行著作権法では、著作権法の権利制限規定に基づき、放送においては権利者の許諾を得ることなく可能となっている行為について、インターネットによる番組の同時配信には権利制限規定が適用されず、権利者の許諾を得なければ番組を同時配信できないという事態が発生している。

 第一に、著作権法34条1項によれば、学校向けの放送番組に用いられる著作物については、権利者からの許諾を得ることなく「放送」で流すことはできるが、インターネットの「同時配信」で流すことはできない(すなわち同時配信を行う場合には、基本的に権利者からの個別の許諾が必要となる)。その他、非営利・無料で行う場合又は通常の家庭用受信装置を用いて流す場合、新聞や雑誌に掲載された時事問題に関する論説を流す場合、国会等での演説を流す場合などにおいて、「放送」で流すことができる(著作権法38条3項、39条1項及び40条2項)が、ネットの「同時配信」では流すことはできないといった相違が発生している。また、著作権法44条、93条によれば、放送事業者は、自己の「放送」のために、フィルムやテープ等に一時的に著作物や実演を固定(複製)することができるが、インターネットの「同時配信」のために固定することはできない。

 第二に、放送事業者が写真、記事、映像、絵画・美術品等、外部から借用している大量の権利物について、権利者から放送での利用許諾を得るに当たって、同時配信の可否を明示的に確認できていなかった場合、同時配信の許諾についても条件や対価の交渉を別途行う必要が生じている。

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(くどう・りょうへい)

岩田合同法律事務所アソシエイト。日本及び米国(NY州)弁護士。2002年東京大学法学部卒業。2006年コロンビア大学ロースクール(LL.M.)修了。2010年東京大学法科大学院修了。2013年シンガポール国際仲裁センター出向。国内外における紛争解決に加え、企業法務全般(特に国際商取引)に係る助言を行う。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>
1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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