◆SH3353◆発信者情報開示の在り方に関する研究会、「最終とりまとめに向けた主な論点」を公表 足立 理(2020/10/22)

 発信者情報開示の在り方に関する研究会、
「最終とりまとめに向けた主な論点」を公表

岩田合同法律事務所

弁護士 足 立   理

 

 総務省は、2020年4月、発信者情報開示の在り方等について検討するため、「発信者情報開示の在り方に関する研究会」(以下「研究会」という。)を設置した。同年10月12日までに、合計8回の研究会が開催されている。

 研究会は、2020年10月12日、「最終とりまとめに向けた主な論点」を公表し、発信者情報開示請求制度に関して近年議論されている問題点について、研究会構成員の新たな意見等を明らかにしている。以下では、まず発信者情報開示制度の概要を説明した後(下記)、いわゆるログイン型サービスの出現に伴う新たな論点に触れ(下記)、「最終とりまとめに向けた主な論点」において明らかにされた、かかる論点に対する研究会構成員の意見を紹介する(下記)。

 

1 発信者情報開示制度の概要

【具体例】

 私人Vは、身に覚えがないにもかかわらず、SNS上で何者か(以下「A」という。)により「〇県〇市〇町在住のVは、犯罪者だ。スーパーマーケットを中心に万引きを繰り返している。」と投稿され、かかる投稿が拡散されることにより被害を受けている。

 上記具体例において、Vは、Aの氏名・住所等を特定し、法的措置を取りたいと考えるであろう。特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「法」という。)は、Vが、Aを特定して損害賠償請求等を行うことができるよう、一定の要件を満たす場合には、コンテンツプロバイダ及びアクセスプロバイダに対し、Aの氏名・住所等の開示を請求する権利を定めているが、多くの場合、①コンテンツプロバイダへの開示請求、②アクセスプロバイダへの開示請求を経て、Aを特定するという2段階の裁判手続が必要になっている。具体的には、コンテンツプロバイダに対する開示請求は、仮処分の申立てによることが一般的であり、これにより、Aの投稿の際の一定の技術情報(以下「IPアドレス等」という。)が開示される。また、アクセスプロバイダに対する開示請求は、訴訟提起によることが一般的であり、Vが認容判決を得れば、アクセスプロバイダよりAの氏名・住所等が開示される。

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(あだち・まこと)

岩田合同法律事務所アソシエイト。2014年東京大学法学部卒業。2016年東京大学法科大学院修了。2017年弁護士登録。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>

1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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